目指せ!電気主任技術者~解説ノート~

第一種電気主任技術者の免状保有者がまとめた電気主任技術者試験の解説ノートです。

法規科目

電力系統に発電設備等を連系する場合

電力系統に発電設備等を連系する場合の基本事項 高圧配電線路との連系は,発電設備等の一設置者当たりの電力容量が原則として 2 000 [kW] 未満(低圧配電線路との連系は, 50 [kW] 未満)である。 発電設備等の一設置者当たりの電力容量とは,発電設備等設置…

電気事業法の自主保安が十分機能していることを確認するための方策

電気事業法は,電気工作物の工事,維持及び運用を規制することによって,公共の安全を確保するため,電気工作物の自主保安の考え方に基づき,事業用電気工作物については設置者に対して,技術基準維持義務,保安規程の作成・届け出・遵守義務,主任技術者の…

機械器具の金属製外箱等の接地

電気設備に関する技術基準を定める省令 第29条 機械器具の金属製外箱等の接地の記述の一部である。 電路に施設する機械器具の金属製の台及び外箱 電路に施設する機械器具の金属製の台及び外箱(以下「金属製外箱等」)には,使用電圧の区分に応じ,下表に規…

特別高圧架空電線と道路等との接近又は交さ

電気設備技術基準の解釈 第98条 35,000 V を超える特別高圧架空電線と道路等との接近又は交差は,以下のとおり。 特別高圧架空電線が道路,横断歩道橋,鉄道又は軌道(以下「道路等」という。)と第 2 次接近状態に施設される場合は,次の各号によること。 …

電力系統の系統間連系

わが国では電気事業者間の広域的運営のため,電力系統の系統間連系が整備されてきているが,連系線潮流の制御が複雑になるなどの理由から,相互の連系は 1 点連系を基本としてきた。 この系統間連系により期待できる利点及び考慮すべき留意点の主なものは以…

特別高圧を直接低圧に変成する変圧器の施設制限

電気設備に関する技術基準を定める省令 電気設備に関する技術基準を定める省令 第13条【特別高圧を直接低圧に変成する変圧器の施設制限】の規定は,以下のとおり。 特別高圧を直接低圧に変成する変圧器は,次の各号のいずれかに掲げる場合を除き,施設しては…

電気さくの施設

次の文章は,電気設備技術基準の解釈 第192条 電気さくの施設の記述である。 田畑、牧場、その他これに類する場所において野獣の侵入又は家畜の脱出を防止するために施設するもので あること。 電気さくを施設した場所には、人が見やすいように適当な間隔で…

電力系統の需給運用・需給計画

日々の電力需要は,季節,曜日,気温の変化に応じて大きく変化する。 そこで翌日の需要予想は,これまでの需要実績と気温の変化,季節的特徴や祝日などの特異日などをベースに作成する。 これに対し,供給力は各発電所の運転状況について,水力発電の出水状…

常時監視をしない発電所・変電所

「電気設備技術基準の解釈」に基づく,常時監視をしない変電所の監視制御方式の種類,定義,適用電圧及び警報する場所等について,説明する。 常時監視をしない発電所の施設 随時巡回方式 随時監視制御方式 遠隔常時監視制御方式 常時監視をしない変電所 常…

特別高圧配線の施設

電気設備技術基準の解釈 第169条 特別高圧配線の施設では,次のように定められている。 特別高圧屋内配線は,次の各号によること。 ただし,別に定める電気集じん装置等の施設の規定により施設する場合を除く。 使用電圧は,100 000 [V] 以下であること。 電…

事業用電気工作物の工事計画の届出

次の文章は電気事業法の工事計画の記述の一部である。 電気事業法 第47条(工事計画) 事業用電気工作物の設置又は変更の工事であって,公共の安全の確保上特に重要なものとして主務省令で定めるものをしようとする者は,その工事の計画について主務大臣の認…

電気関係報告規則の定義

次の文章は,「電気事業法」に基づく「電気関係報告規則」第一条 定義の記述の一部である。 電気火災事故 破損事故 主要電気工作物の破損事故 供給支障事故 供給支障電力 供給支障時間 発電支障事故 電力保安統計 平成27年度 第一種 電気主任技術者 一次試験…

電力系統に発生する瞬時電圧低下

瞬時電圧低下(略して「瞬低(しゅんてい)」ともいう)は,電力系統の各種事故により,系統の電圧が瞬間的に低下するために発生するものであり,コンピュータが停止するなどの影響を与えることがある。 瞬時電圧低下は,送電鉄塔又は架空地線に落雷した場合…

停電作業~労働安全衛生規則~

労働安全衛生法において,事業者は電気の危険を防止するため必要な措置を講じなければならない,と定められている。 次の文章は,労働安全衛生規則 第5章 電気による危険の防止 第3節 停電作業に関する記述である。 第339条 停電作業を行う場合の措置 事業者…

危険な施設の禁止

次の文章は,電気設備に関する技術基準を定める省令 第2章 電気の供給のための電気設備の施設 第5節 危険な施設の禁止の一部である。 油入開閉器等の施設制限 屋内電線路等の施設の禁止 連接引込線の禁止 電線路のがけへの施設の禁止 特別高圧架空電線路の市…

周波数制御用発電所

周波数制御用発電所は一般に次のような条件を具備しなければならない。 必要とする調整能力(kW , kW・A)を常時持っていること。 出力調整が容易で負荷変動に対する応答性が高く,さらに高効率運転ができること。 出力調整により水力発電所では水量の変動…

発電機の保護装置

電気設備に関する技術基準を定める省令 第44条 発変電設備等の損傷による供給支障の防止が定められている。 電気設備に関する技術基準を定める省令 第44条 第1項 発電機、燃料電池又は常用電源として用いる蓄電池には、当該電気機械器具を著しく損壊するおそ…

特別高圧架空電線の想定荷重の計算方法

電線の張力計算に用いる想定荷重は,電線がケーブルである場合を除き,水平荷重 $W_\text{W}$ [N/m] と垂直荷重 $W_\text{V}$ [N/m] の合成荷重 $W_\text{S}$ [N/m] を用いる。 図 電線の張力計算に用いる想定荷重 合成荷重 $W_\text{S}$ [N/m] は,次式で示…

電力系統の不平衡状態

系統内の三相電流が不平衡となる原因は,主に電気炉,溶接機,交流式電気鉄道等の大型三相不平衡負荷,送電線三相インピーダンスの不平衡,送電線の断線・地絡などである。 大型三相不平衡負荷のうち,交流式電気鉄道は極めて単相負荷容量が大きく,「電気設…

事業用電気工作物の設置又は変更の工事

電気事業法では,「事業用電気工作物の設置又は変更の工事であって,主務省令で定めるものをしようとする者は,その工事の計画を主務大臣に届け出なければならない。」としており,主務省令においては,次のような規定がある。 出力 10 000 kW 以上の火力発…

高圧屋側電線路および特別高圧屋側電線路の施設

高圧屋側電線路の施設 次の文章は,電気設備の技術基準の解釈 第111条 高圧屋側電線路の施設の一部である。 ケーブル工事による高圧屋内配線は,ケーブル建造物の電気配線用のパイプシャフト内に垂直につり下げて施設する場合を除き,次によること。 重量物…

電路の絶縁及び接地

電気設備の技術基準の解釈 第1章 総則 第3節 電路の絶縁及び接地について述べる。 発電所又は変電所,開閉所若しくはこれらに準ずる場所に施設する低圧交流母線の電路は,最大使用電圧の 1.5 倍の交流電圧( 500 V 未満となる場合は,500 V )を電路と大地と…

事業用電気工作物及びその使用前自主検査

事業用電気工作物の維持 電気事業法 第39条「事業用電気工作物の維持」において,次のように定められている。 事業用電気工作物を設置する者は、事業用電気工作物を主務省令で定める技術基準に適合するように維持しなければならない。 具体的には,以下のと…

架空送電線の保守

架空送電線は,山間地の水力発電所,沿岸部の火力・原子力発電所から需要地点に至るまで,山岳部,平野部,沿岸部と様々な立地条件の中を経過しており,雨や風,雪や雷等自然現象に起因する事故が多いだけではなく,鳥獣や樹木の接触,架空送電線付近で行わ…

自家用電気工作物の設置者が報告しなければならない事故

電気事業法 第106条「報告の徴収」では,経済産業大臣は,自家用電気工作物を設置する者,自家用電気工作物の保守点検を行った事業者又は登録調査期間に対し,その業務の状況に関し報告又は資料の提出をさせることができる,と定められている。 電気事業法 …

絶縁油の保守管理

絶縁油は,油入変圧器や油入コンデンサなどの電気機器に広く使用されており,その主な役割は機器の絶縁と冷却である。 油入機器の内部で異常過熱や絶縁劣化が生じると,絶縁油から発生した分解ガスや絶縁物の劣化生成物が絶縁油に溶け込み,絶縁油の化学的特…

架空電線路の支持物における支線の施設

高圧又は特別高圧の架空電線路の支持物として使用する木柱, A 種鉄筋コンクリート柱又は A 種鉄柱には,次により支線を施設すること。 電線路の水平角度が 5 度以下の箇所に施設される柱であって,当該柱の両側の径間の差が大きい場合は,その径間の差によ…

「電気工事士法」及び「電気工事業の業務の適正化に関する法律」

これらの法律でいう「自家用電気工作物」は,電気事業法で規定される自家用電気工作物から,発電所,変電所,最大電力 500 kW 以上の需要設備,送電線路及び保安通信設備は除かれる。 「電気工事士」とは,第一種電気工事士及び第二種電気工事士をいう。 第…

「電気設備技術基準」における保安原則

電気設備は,感電,火災その他人体に危害を及ぼし,又は物件に損傷を与えるおそれがないように施設しなければならない。 変成器内の巻線と当該変成器内のほかの巻線との間の絶縁性能は,事故時に想定される異常電圧を考慮し,絶縁破壊による危険のおそれがな…

配線

「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」に基づく配線とは,電気使用場所において施設する電線をいう。 ただし,電気機械器具内の電線及び電線路の電線を除く。 電気設備に関する技術基準を定める省令 第1条 定義 「配線」とは,電気使用場所に…