次の文章は,「電気事業法」に基づく「電気関係報告規則」第一条 定義の記述の一部である。
電気火災事故
「電気火災事故」とは、漏電、短絡、せん絡その他の電気的要因により建造物、車両その他の工作物(電気工作物を除く。)、山林等に火災が発生することをいう。
破損事故
「破損事故」とは、電気工作物が変形、損傷若しくは破壊、火災又は絶縁劣化若しくは絶縁破壊が原因で、当該電気工作物の機能が低下又は喪失したことにより、直ちに、その運転が停止し、若しくはその運転を停止しなければならなくなること又はその使用が不可能となり、若しくはその使用を中止することをいう。
主要電気工作物の破損事故
「主要電気工作物の破損事故」とは、別に告示する主要電気工作物を構成する設備の破損事故が原因で、当該主要電気工作物の機能が低下又は喪失したことにより、直ちに、その運転が停止し、若しくはその運転を停止しなければならなくなること又はその使用が不可能となり、若しくはその使用を中止することをいう。
供給支障事故
「供給支障事故」とは、破損事故又は電気工作物の誤操作若しくは電気工作物を操作しないことにより電気の使用者(当該電気工作物を管理する者を除く。以下この条において同じ。)に対し、電気の供給が停止し、又は電気の使用を緊急に制限することをいう。
ただし、電路が自動的に再閉路されることにより電気の供給の停止が終了した場合を除く。
供給支障電力
「供給支障電力」とは、供給支障事故が発生した場合において、電気の使用者に対し、電気の供給が停止し、又は電気の使用を制限する直前と直後との供給電力の差をいう。
供給支障時間
「供給支障時間」とは、供給支障事故が発生した時から電気の供給の停止又は使用の制限が終了した時までの時間をいう。
発電支障事故
「発電支障事故」とは、発電所の電気工作物の故障、損傷、破損、欠陥又は電気工作物の誤操作若しくは電気工作物を操作しないことにより当該発電所の発電設備(発電事業の用に供するものに限る。)が直ちに運転が停止し、又はその運転を停止しなければならなくなることをいう。
電力保安統計
平成27年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 法規 問4
経済産業省が発表する電力保安統計によれば,平成22年度から平成24年度において全国で発生した電気事故の年平均件数は,約 14 000 件である。
このうち,最も件数が多いのは,高圧架空配電線路での事故であり,そのほとんどが供給支障事故となっている。
また,自家用電気工作物で発生した電気事故の年平均件数は,約 600 件であり,このうち事故発生件数が最も多い場所は,需要設備である。
平成23年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 法規 問5
電気関係報告規則に規定する事故情報を取りまとめた電気保安統計によれば,平成 18 年度から 20 年度において,一般電気事業者では,毎年度約 9 300 ~ 11 000 件の供給支障事故が発生したが,その多くは高圧配電線路で発生した事故が原因となっている。
また,この供給支障事故のうち,自家用電気工作物からの波及事故によるものは毎年度約 430 ~ 520 件であった。
他方,電気事業者及び自家用電気工作物設置者から報告のあった感電死傷事故件数は毎年度 72~84 件であった。
参考文献
- 令和3年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 法規 問1「電気事故と事故の報告」
- 平成27年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 法規 問4「我が国の事業用電気工作物及びその電気保安の状況」
- 平成23年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 法規 問4「我が国の電気工作物の概要及び電気保安の状況」
- 平成26年度 第二種 電気主任技術者 一次試験 法規 問5