これらの法律でいう「自家用電気工作物」は,電気事業法で規定される自家用電気工作物から,発電所,変電所,最大電力 500 kW 以上の需要設備,送電線路及び保安通信設備は除かれる。
「電気工事士」とは,第一種電気工事士及び第二種電気工事士をいう。
第一種電気工事士は,経済産業省令で定めるやむを得ない事由がある場合を除き,第一種電気工事士免状の交付を受けた日から 5 年以内に自家用電気工作物の保安に関する講習を受けなければならない。当該講習を受けた日以降についても,同様とする。
「電気工事業の業務の適正化に関する法律」でいう「電気工事」は,「電気工事士法」で規定される電気工事から家庭用電気機械器具の販売に付随して行う工事が除かれる。
電気工事士法
電気工事士法の目的
電気工事士法は,電気工事の作業に従事する者の資格及び義務を定め,もって電気工事の欠陥による災害の防止に寄与することを目的とする。
電気工事士免状
電気工事士免状の種類は,第一種電気工事士免状及び第二種電気工事士免状とする。
第一種電気工事士
第一種電気工事士でなければ,電気事業法に定める自家用電気工作物(発電所,変電所,最大電力 500 キロワット以上の需要設備,送電線路及び保安通信設備を除く。以下同じ。)に係る電気工事(特殊電気工事を除く。)の作業(自家用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業であって,経済産業省令で定めるものを除く。)に従事してはならない。
電気工事業の業務の適正化に関する法律
電気工事業の業務の適正化に関する法律の目的
電気工事業の業務の適正化に関する法律は,電気工事業を営む者の登録等及びその業務の規制を行うことにより,その業務の適正な実施を確保し,もって一般用電気工作物及び自家用電気工作物の保安の確保に資することを目的とする。
自家用電気工作物に係る電気工事
特殊電気工事
自家用電気工作物に係る電気工事のうち特殊電気工事については,特殊電気工事資格者でなければその作業(自家用電気工作物の保安上支障がないと認められる作業であって,特殊電気工事資格者が従事する特殊電気工事の作業を補助する作業を除く。)に従事してはならない。
特殊電気工事として,ネオン工事及び非常用予備発電装置工事が定められている。
簡易電気工事
自家用電気工事物に係る電気工事のうち簡易電気工事については,第一種電気工事士でなくとも,認定電気工事従事者であれば,その作業に従事することができる。
通知電気工事業者
建設業法に規定する建設業者であって自家用電気工事のみに係る電気工事業を営むものについては,通知電気工事業者とみなして電気工事業の業務の適正化に関する法律が適用される。
参考文献
- 平成30年度 第二種 電気主任技術者 一次試験 法規 問1「「電気工事士法」及び「電気工事業の業務の適正化に関する法律」」
- 平成27年度 第二種 電気主任技術者 一次試験 法規 問1「「電気工事士法」及び「電気工事業の業務の適正化に関する法律」」
- 平成24年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 法規 問2「「電気工事士法」及び「電気工事業の業務の適正化に関する法律」」