保護・制御
電力系統では部分的事故が系統の異常現象(不安定現象を含む)によって拡大・波及し,大規模な停電となることを防止するために,事故波及防止リレーシステムが導入されている。 事故波及防止リレーシステムが適用対象とする系統の異常現象 事故波及防止リレ…
電力系統に発生した事故を事故除去リレーの働きによって高速で除去することで,通常は事故点を含む最小限の範囲の設備が停止することとなるが,系統及び事故の様相によっては,系統全体に事故の影響が波及拡大し,広範囲な停電を起こす場合があることから,…
高圧配電系統に同期発電機を連系する場合に,同期発電機を設置する構内の保護リレーについて,説明する。 地絡過電圧リレーを用いる理由 構内の地絡故障保護には,受電点近くに設置した地絡過電流リレー(OCGR)などを用いるが,同期発電機を連系する場合の…
距離リレー(DZR : Distance Relay)は,自端の電圧・電流入力により事故検出ができることから保護リレー装置としての構成が比較的簡単で信頼性が高く,系統保護における主保護リレー又は後備保護リレーとして広く使用されている。 また,距離リレーは事故区…
太陽光発電システム用パワーコンディショナ(PCS)は太陽電池で発電した直流電力を交流電力に変換し,交流系統に接続された負荷設備に電力を供給するとともに,余剰電力を系統に供給する装置である。 PCS は直交変換だけでなく,様々な機能を有している。 太…
発電機の自動電圧調整装置は,界磁電流を制御して発電機端子電圧を調整するものである。 自動電圧調整装置は内部に保護機能を有しており,界磁電流が増加した場合,ある値を超えると強制的に引き下げ,さらに,所定の時間を経過しても界磁電流の増加傾向が抑…
母線保護継電器の設置されていない発変電所母線に事故が発生した場合,事故検出は,送電線相手端子での遠端後備保護及び発電機又は変圧器の自端後備保護によって行われるため,事故除去が遅れる。 このため,故障電流の増大に伴う機器の損傷,広範囲停電,電…
わが国における発変電所の低圧・制御回路に発生するサージ現象については,電気協同研究「低圧制御回路絶縁設計(昭和51年8月)」で技術的調査や現象の調査が行われ,これらの成果に基づいた各種の対策が行われてきた。 しかしながら,この報告書の発行後,…
電気設備に関する技術基準を定める省令 第44条 発変電設備等の損傷による供給支障の防止が定められている。 電気設備に関する技術基準を定める省令 第44条 第1項 発電機、燃料電池又は常用電源として用いる蓄電池には、当該電気機械器具を著しく損壊するおそ…
次の文章は,電気設備技術基準の解釈 第36条【地絡遮断装置の施設】の一部である。 第1項 金属製外箱を有する使用電圧 60 V を超える低圧の機械器具に接続する電路には,電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。 ただし,以下…
本稿では,分散型電源の系統連系について述べる。 ここで,分散型電源とは,一般電気事業者及び卸電気事業者以外の者が設置する発電設備等であって,一般電気事業者が運用する電力系統に連系するものをいう。 分散型電源の系統連系に係る用語の定義 電気設備…
保護協調(protection coordination)*1とは,系統又は電力設備に故障が発生した際,故障発生源を早期に検出し,迅速に除去し,故障の波及・拡大を防ぎ,健全回線の不要遮断を避けることである。 保護装置がそれぞれ協調せずに動作すると故障した部位が正確…
架空送電線では,雷による逆フラッシオーバやアーキングホーンを介した気中フラッシオーバ事故が多い。 気中フラッシオーバ事故は長い時間放置しておけば,がいし損傷などの機器故障に至るが,保護リレーで速やかに事故区間を遮断すればがいしは損傷を受けな…
低圧屋内配線における保護の種類としては,主として過電流,地絡保護,過電圧保護がある。 過電流保護 過負荷電流,あるいは,短絡電流を総称して過電流(OC : Over Current)というが,この過電流による電線,電気機器の過熱焼損及び火災事故を防止するため…
電力系統に生じる事故除去,事故波及の局限化,復旧の迅速化の役割を担う保護リレーシステムについて解説する。
交流の高電圧又は大電流を測定する場合,変圧器を用いて計器の測定範囲に適した電圧や電流に変換することがある。 これらの変圧器を計器用変成器といい,電圧測定用のものを計器用変圧器(VT,PT),電流測定用のものを変流器(CT)という。 計器用変成器の…