次の文章は,電気設備技術基準の解釈 第36条【地絡遮断装置の施設】の一部である。
第1項
金属製外箱を有する使用電圧 60 V を超える低圧の機械器具に接続する電路には,電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。
ただし,以下のいずれかに該当する場合はこの限りでない。
- 機械器具に簡易接触防護措置(金属製のものであって,防護措置を施す機械器具と電気的に接続するおそれがあるもので防護する方法を除く。)を施す場合
- 機械器具を次のいずれかの場所に施設する場合
- 発電所又は変電所,開閉所若しくはこれらに準ずる場所
- 乾燥した場所
- 機械器具の対地電圧が 150 V 以下の場合においては,水気の多い場所以外の場所
- 機械器具が,次のいずれかに該当するものである場合
- 電気用品安全法の適用を受ける 2 重絶縁構造のもの
- ゴム,合成樹脂その他の絶縁物で被覆したもの
- 誘導電動機の 2 次側電路に接続されるもの
- 試験用変圧器や電気炉など,大地から絶縁できないことがやむを得ないもの
- 機械器具に施された C 種接地工事又は D 種接地工事の接地抵抗値が 3 Ω 以下の場合
- 電路の系統電源側に絶縁変圧器(機械器具側の線間電圧が 300 V 以下のものに限る。)を施設するとともに,当該絶縁変圧器の機械器具側の電路を非接地とする場合
- 機械器具内に電気用品安全法の適用を受ける漏電遮断器を取り付け,かつ,電源引出部が損傷を受けるおそれがないように施設する場合
- 機械器具を太陽電池モジュールに接続する直流電路に施設し,かつ,当該電路が次に適合する場合
- 直流電路は,非接地であること。
- 直流電路に接続する逆変換装置の交流側に絶縁変圧器を施設すること。
- 直流電路の対地電圧は,450 V 以下であること。
- 電路が,管灯回路である場合
第2項
略
第3項
高圧又は特別高圧の電路と変圧器によって結合される,使用電圧が 300 V を超える低圧の電路には,電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。
ただし,当該低圧電路が次のいずれかのものである場合はこの限りでない。
- 発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所にある電路
- 電気炉,電気ボイラー又は電解槽であって,大地から絶縁することが技術上困難なものに電気を供給する専用の電路
第4項
高圧又は特別高圧の電路には,表の左欄に掲げる箇所又はこれに接近する箇所に,同表中欄に掲げる電路に地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置を施設すること。
ただし,同表右欄に掲げる場合はこの限りでない。
地絡遮断装置を施設する箇所 | 電路 | 地絡遮断装置を施設しなくても良い場合 |
---|---|---|
発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の引出口 | 発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所から引出される電路 | 発電所又は変電所相互間の電線路が,いずれか一方の発電所又は変電所の母線の延長とみなされるものである場合において,計器用変成器を母線に施設すること等により,当該電線路に地絡を生じた場合に電源側の電路を遮断する装置を施設するとき |
他の者から供給を受ける受電点 | 受電点の負荷側の電路 | 他の者から供給を受ける電気を全てその受電点に属する受電場所において変成し,又は使用する場合 |
配電用変圧器(単巻変圧器を除く。)の施設箇所 | 配電用変圧器の負荷側の電路 | 配電用変圧器の負荷側に地絡を生じた場合に,当該配電用変圧器の施設箇所の電源側の発電所又は変電所で当該電路を遮断する装置を施設するとき |
(参考)引出口とは,常時又は事故時において,発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所から電線路へ電流が流出する場所をいう。
第5項
低圧又は高圧の電路であって,非常用照明装置,非常用昇降機,誘導灯又は鉄道用信号装置その他その停止が公共の安全の確保に支障を生じるおそれのある機械器具に電気を供給するものには,電路に地絡を生じたときにこれを技術員駐在所に警報する装置を施設する場合は,第1項,第3項及び第4項に規定する装置を施設することを要しない。
参考文献
- 令和4年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 法規 問5「地絡遮断装置の施設」
- 平成30年度 第二種 電気主任技術者 一次試験 法規 問2
- 平成28年度 第二種 電気主任技術者 一次試験 法規 問3「地絡遮断装置の施設」