目指せ!電気主任技術者~解説ノート~

第一種電気主任技術者の免状保有者がまとめた電気主任技術者試験の解説ノートです。

「電気事業法」および「電気事業法施行規則」における電気工作物

電気事業法」および「電気事業法施行規則」における電気工作物について述べる。

電気工作物

電気工作物とは,発電,変電,送電若しくは配電又は電気の使用のために設置する機械,器具,ダム,水路,貯水池,電線路その他の工作物をいう。

ただし,船舶,車両又は航空機に設置されるものなどのほか,電圧 30 [V] 未満の電気的設備であって,電圧 30 [V] 以上の電気的設備と電気的に接続されていないものを除く。

図 電気工作物の種類

図 電気工作物の種類

一般用電気工作物

「一般用電気工作物」とは,次に掲げる電気工作物をいう。

ただし,小出力発電設備以外の発電用の電気工作物と同一の構内(これに準ずる区域内を含む。本問において以下同じ。)に設置するもの又は爆発性若しくは引火性の物が存在するため電気工作物による事故が発生するおそれが多い場所であって,経済産業省令で定めるものに設置するものを除く。

  1. 他の者から経済産業省令で定める電圧以下の電圧で受電し,その受電の場所と同一の構内においてその受電に係る電気を使用するための電気工作物(これと同一の構内に,かつ,電気的に接続して設置する小出力発電設備を含む。)であって,その受電のための電線路以外の電線路以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないもの
  2. 構内に設置する小出力発電設備(これと同一の構内に,かつ,電気的に接続して設置する電気を使用するための電気工作物を含む。)であって,その発電に係る電気を上記 1. の経済産業省令で定める電圧以下の電圧で他の物がその構内において受電するための電線路以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないもの
  3. 上記 1. 及び 2. に掲げるものに準ずるものとして経済産業省令で定めるもの
    1. 他の者から電圧 600 [V] を超える電圧で受電する需要家の電気工作物
    2. 受電場所の構内以外の場所で,受電した電気を使用する需要家の電気工作物
    3. 小出力発電設備に該当しない発電設備と同一構内に設置する需要家の電気工作物
    4. 火薬類取締法に規定する火薬類(煙火を除く。)を製造する事業場の電気工作物
    5. 鉱山保安規則が適用される甲種炭坑,又は乙種炭坑であって別に告示されているものを有するものの電気工作物

事業用電気工作物

「事業用電気工作物」とは,一般用電気工作物以外の電気工作物をいう。

自家用電気工作物

「自家用電気工作物」とは,次に掲げる事業の用に供する電気工作物及び一般用電気工作物以外の電気工作物をいう。

  1. 一般送配電事業
  2. 送電事業
  3. 特定送配電事業
  4. 発電事業であって,その事業の用に供する発電用の電気工作物が主務省令で定める要件に該当するもの

電気事業法で定める自家用電気工作物

電気事業法で定める自家用電気工作物に含まれる需要設備には,他の者から 600 [V] を超える電圧で受電しその受電した電気を使用するためのもの,他の者から 600 [V] 以下の電圧で受電しその受電場所の構内以外の場所でその受電した電気を使用するためのもの等がある。

電気工事士法における自家用電気工作物

電気工事士法では,電気事業法で定める自家用電気工作物に含まれる需要設備のうち,最大電力 500 [kW] 以上のものは自家用電気工作物に含めていない。

電気関係報告規則における自家用電気工作物

電気関係報告規則では,電圧 3 000 [V] 以上の自家用電気工作物の破損事故又は自家用電気工作物の誤操作若しくは自家用電気工作物を操作しないことにより一般電気事業者又は特定電気事業者に供給支障を発生させた事故のとき,その自家用電気工作物の設置者は同規則で定める報告先に事故報告をしなければならないとしている。

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小出力発電設備

小出力発電設備とは,電圧 600 [V] 以下の電気の発電用の電気工作物であって,次のとおりとする。ただし,次の各号に定める設備であって,同一の構内に設置する次の各号に定める他の設備と電気的に接続され,それらの設備の出力の合計が 20 [kW] 以上となるものを除く。

  • 太陽電池発電設備であって出力 20 [kW] 未満のもの
  • 風力発電設備であって出力 20 [kW] 未満のもの
  • 水力発電設備であって出力 10 [kW] 未満のもの(ダムを伴うものを除く)
  • 内燃力を原動力とする火力発電設備であって出力 10 [kW] 未満のもの
  • 燃料電池発電設備(固体高分子型又は固体酸化物型のものであって,燃料・改質系統設備の最高使用圧力が 0.1 [MPa](液体燃料を通ずる部分であっては,1.0 [MPa] 未満のものに限る)であって出力 10 [kW] 未満のもの

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電力調査統計

資源エネルギー庁が発表する電力調査統計によれば,平成26年3月末における電気事業用発電設備と自家用発電設備( 1 000 kW 未満の発電所の発電設備を除く。)との認可及び届出出力合計は,約 2.9 億 kW である。このうち,水力発電設備(揚水式を含む。)の出力の割合は,約 17 % である。

参考文献

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