原子力発電
原子力規制委員会は,原子炉等の設計を審査するための新しい基準を作成し,その運用を行っている。 いわゆる「新規性基準」は,東京電力福島第一原子力発電所の事故の反省や国内外からの指摘を踏まえて策定された。 ランキング参加中電気主任技術者 以前の基…
2024年,政府は中長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」の改訂に乗り出す。 2024年より議論を行い,第七次エネルギー基本計画では,2035 年度以降の電源構成を策定する。 電力の安定供給と脱炭素の両立を図るため,発電時に二酸化炭素を…
エネルギー供給の不安定化と地球温暖化が懸念される中,2023年2月,政府は原子力発電の推進にかじを切った*1。 注目されているのは,次世代原子炉である。 ランキング参加中電気主任技術者 革新軽水炉 革新軽水炉の主な安全対策 地震・津波対策 放射性物質の…
次に示す発電設備について,使用する燃料又は利用するエネルギーとしての特性を踏まえ,我が国におけるエネルギーセキュリティ*1の確保と地球環境保全の観点から,特徴,現状及び課題について説明する。 今後の電源開発を進めるうえで,石油代替エネルギー導…
タービン発電機の界磁喪失に関する事項について説明する。 界磁喪失が発生する主な原因 界磁喪失時の影響 界磁喪失時に発電機に与える影響 界磁喪失時に系統に与える影響 界磁喪失保護に用いられるリレー 参考文献 更新履歴 界磁喪失が発生する主な原因 ター…
発電機の自動電圧調整装置は,界磁電流を制御して発電機端子電圧を調整するものである。 自動電圧調整装置は内部に保護機能を有しており,界磁電流が増加した場合,ある値を超えると強制的に引き下げ,さらに,所定の時間を経過しても界磁電流の増加傾向が抑…
原子力発電に伴い,放射能を持つ多量の核分裂生成物が発生する。 発電用原子炉には,万一の事故や故障が発生した際にも,この核分裂生成物を外部環境に放出させないよう 5 重の障壁が設けられている。 第 1 の壁「燃料のペレット」 第 1 の壁は,燃料のペレ…
沸騰水形軽水炉(BWR : Boiling Water Reactor)には,炉心から出てきた気水混合流を,タービンへ送る蒸気と再び炉心へ循環する水とに沸けるために,気水分離器と蒸気乾燥器が設けられている。 気水分離器はシュラウド・ヘッド上部にあり,そこへ炉心から入…
火力発電所や原子力発電所の発電機と主変圧器との間の電路*1には相分離母線(Isolated Phase Bus : IPB)が使用されている。 相分離母線は,各相の導体を接地した金属製外被で閉鎖して,各相を分離した構造の母線である。 図 相分離母線の構造 外被材料とし…
蒸気タービン及びタービン発電機の軸に起電力が発生した場合に,軸受及び軸受台を通してほとんど短絡状態に近い閉回路ができると軸電流が流れる。 蒸気タービンでは,蒸気の粒子が相互摩擦,あるいは,高速でタービン動翼,軸に衝突又は摩擦する際,蒸気ター…
加圧水型軽水炉(PWR : Pressurized Water Reactor)の原子炉出口一次冷却材温度は約 320 [°C] であり,一次冷却材が沸騰しないよう常に約 16 [MPa] の圧力に制御するため,加圧器が設けられている。 例えば,平常運転中に圧力が若干低下した場合には,加圧…
天然ウラン中には,235U は 0.7 [%] 程度しか含まれておらず,大部分が 238U である。そのため,燃料としては,235U の濃度を 3 ~ 5 [%] まで濃縮し,UO2 に再転換して使用する。 原子炉内に挿入された燃料は,通常の運転状態では平均 3 ~ 5 年間程度熱エ…
わが国の発電用原子炉は,燃料として低濃縮ウランを用い,軽水と冷却材が減速材を兼ねる軽水炉が主流であり,加圧水形と沸騰水形の 2 種類が採用されている。 両者の構造や制御機能などに相違点があり,以下にその例を挙げる。 加圧水形は,水が沸騰しないよ…
タービン発電機(turbine generation)は,蒸気タービンまたはガスタービンにより駆動される発電機をいい,一般に横置型で高速回転するので,通常は円筒形回転界磁形同期発電機をいう。 大容量クロスコンパウンド機の二次側,あるいは原子力発電では 4 極機…