電力科目
水車発電機の励磁巻線に直流電流を供給し,発電機の端子電圧を一定に保持,あるいは調整する装置を励磁装置と言う。 ランキング参加中電気主任技術者 励磁装置の方式 サイリスタ励磁装置 参考文献 更新履歴 励磁装置の方式 励磁装置は,その電源に直流発電機…
本稿ではスマートメータについて説明する。 ランキング参加中電気主任技術者 スマートメータの概要 スマートメータから取得可能な情報 計測管理データ 計測データ スマートメータの通信方式 B/NET 伝送システム MODBUS RTU プロトコルを利用した通信 無線通…
高電圧機器の絶縁性能を確認するために行われる各種非破壊試験のうちの部分放電試験について説明する。 複合誘電体を有する電極配置に高い電圧を印加すると,電界の強さの大きいところで局所的な放電が生じる。 このような放電を総称して部分放電(partial d…
距離リレー(DZR : Distance Relay)は,自端の電圧・電流入力により事故検出ができることから保護リレー装置としての構成が比較的簡単で信頼性が高く,系統保護における主保護リレー又は後備保護リレーとして広く使用されている。 また,距離リレーは事故区…
ケーブルの損失低減について述べる。 交流導体抵抗の低減 ケーブルの導体損失の主要な低減方策としては,導体の大サイズ化による交流導体抵抗の低減があげられる。 しかし,導体の大サイズ化に伴い表皮効果によって,この効果は小さくなるため,これを抑える…
水車の振動は,水力的要因によるものと,機械的要因によるものとに大別される。 水力的要因によるものには,吸出管内の旋回流やキャビテーションによる振動,ランナとガイドベーンの干渉による振動,ランナ出口のカルマン渦による振動などがあげられる。 吸…
汽力発電所の主要機器の緊急停止時の相互関係のうち,次の場合の機器のトリップの必要性とその理由について述べる。 ボイラ側事故時のタービン 貫流ボイラの場合,MFT(燃料トリップ)により燃料が遮断されて消火したときに残圧によるタービン負荷運転を継続…
本稿では,ボイラの損失について述べる。 未燃分損失 不完全燃焼による損失 排ガス損失 排気中の水蒸気の蒸発熱による損失 放射伝熱損失 参考文献 更新履歴 未燃分損失 燃料の燃えかすのなかにごく少量残る,未燃分(主に炭素分)による損失熱量である。 石…
発電機の自動電圧調整装置は,界磁電流を制御して発電機端子電圧を調整するものである。 自動電圧調整装置は内部に保護機能を有しており,界磁電流が増加した場合,ある値を超えると強制的に引き下げ,さらに,所定の時間を経過しても界磁電流の増加傾向が抑…
母線保護継電器の設置されていない発変電所母線に事故が発生した場合,事故検出は,送電線相手端子での遠端後備保護及び発電機又は変圧器の自端後備保護によって行われるため,事故除去が遅れる。 このため,故障電流の増大に伴う機器の損傷,広範囲停電,電…
有水試験時の発電機三相短絡試験 有水試験時の発電機三相短絡試験は,次のように行う。 発電機電機子の線路側全端子を母線回路側から完全に切り離し,電機子の線路側全端子を短絡する。 発電機の励磁系が自励式の場合は,他励回路に変更する。 比率差動継電…
原子力発電に伴い,放射能を持つ多量の核分裂生成物が発生する。 発電用原子炉には,万一の事故や故障が発生した際にも,この核分裂生成物を外部環境に放出させないよう 5 重の障壁が設けられている。 第 1 の壁「燃料のペレット」 第 1 の壁は,燃料のペレ…
マイクロガスタービン発電は,7 万 ~ 10 万 [min-1] 程度の回転速度を持つ小形タービンに高周波発電機と電力変換装置を組み合わせたもので,出力は 50 [kW] 程度で,都市ガス・軽油などを燃料としている。 ディーゼルエンジン発電などと比較した場合,コン…
移行電圧とは,変圧器の高圧側巻線に侵入したサージ電圧が,巻線間の静電容量,又は結合リアクタンスを経て低圧側巻線に移行することをいい,前者を静電移行電圧,後者を電磁移行電圧という。 条件によっては低圧巻線及びこれに接続している機器の絶縁を脅か…
揚水発電システムは,夜間の電力を利用してポンプで下部池から上部池へ水をくみ上げ,水の位置エネルギーとして貯蔵し,昼間のピーク負荷時に発電して電力消費の平準化を行うシステムである。 可変速揚水発電システムは,揚水運転時の入力調整機能のほかに,…
近年,石炭火力発電は地球環境問題と資源有効利用の観点から高効率化と高い環境特性が求められていることから,従来の微粉炭燃焼に代わる技術としてPFBC(Pressurized Fluidized Bed Combustion)の開発・導入が進められている。 この発電方式は,圧力容器内…
架空送電線の絶縁設計では,常規商用周波電圧に耐えることはもちろん,線路の開閉時に生じる開閉サージ電圧及び負荷の急変あるいは線路故障時に発生する持続性異常電圧に対しても,絶縁破壊を起こさないような考え方が適用されている。 内部異常電圧 開閉サ…
わが国における発変電所の低圧・制御回路に発生するサージ現象については,電気協同研究「低圧制御回路絶縁設計(昭和51年8月)」で技術的調査や現象の調査が行われ,これらの成果に基づいた各種の対策が行われてきた。 しかしながら,この報告書の発行後,…
沸騰水形軽水炉(BWR : Boiling Water Reactor)には,炉心から出てきた気水混合流を,タービンへ送る蒸気と再び炉心へ循環する水とに沸けるために,気水分離器と蒸気乾燥器が設けられている。 気水分離器はシュラウド・ヘッド上部にあり,そこへ炉心から入…
火力発電所や原子力発電所の発電機と主変圧器との間の電路*1には相分離母線(Isolated Phase Bus : IPB)が使用されている。 相分離母線は,各相の導体を接地した金属製外被で閉鎖して,各相を分離した構造の母線である。 図 相分離母線の構造 外被材料とし…
蒸気タービン及びタービン発電機の軸に起電力が発生した場合に,軸受及び軸受台を通してほとんど短絡状態に近い閉回路ができると軸電流が流れる。 蒸気タービンでは,蒸気の粒子が相互摩擦,あるいは,高速でタービン動翼,軸に衝突又は摩擦する際,蒸気ター…
水車の非破壊試験は,主としてランナ,主軸,ケーシング,ガイドベーン等の曲がり部やフランジ付け根部などの形状急変部,又は高応力部,溶接部などについて実施し,磁粉探傷試験,浸透探傷試験,超音波探傷試験などがある。 一方,発電機の電気的非破壊試験…
電力ケーブルを施設する場合,金属シースは安全対策から接地しているが,接地の方式にはいくつかあり,それぞれ特徴がある。 単心ケーブルを施設する場合,シースを片端接地するとシース回路損は生じないが,他端には接地点からの距離に応じてシースと大地の…
本稿では,長距離送電線の送電容量増大と安定度向上に有効な方法である直列コンデンサについて説明する。 直列コンデンサによる送電能力の向上 送電線への直列コンデンサ設置の事例 直列コンデンサを挿入した三相 3 線式送電系統の損失 参考文献 更新履歴 直…
加圧水型軽水炉(PWR : Pressurized Water Reactor)の原子炉出口一次冷却材温度は約 320 [°C] であり,一次冷却材が沸騰しないよう常に約 16 [MPa] の圧力に制御するため,加圧器が設けられている。 例えば,平常運転中に圧力が若干低下した場合には,加圧…
一般に配電線路の形態としては,新規需要の発生に応じて幹線と分岐線を延長していくため,現在,樹枝状方式が架空配電系統で最も多い方式である。 この方式では,施設費は安価であるがそのままでは信頼度が低いため,通常,幹線は自動区分開閉器によって適当…
運転中の蒸気タービンの回転速度を一定に保つには,調速装置によって蒸気加減弁を駆動・制御し,タービンに流入する蒸気流量の調節を行う。 なお,再熱タービンにおいては,系統の負荷が急激に遮断されたとき,蒸気加減弁を閉じても再熱蒸気がタービンに流入…
吸出し管は,反動水車のランナ出口から放水路を結ぶ管で,単なる導水管として用いられるだけでなく,管内に充満する水頭を利用して,ランナ出口の圧力を大気圧以下に保ち,また,ランナ出口の水の持つ運動エネルギーをランナ出口から放水面までの落差として…
変圧器の鉄心は,磁化特性に優れたけい素鋼板で構成されている。変圧器鉄心を磁気回路として捉えると,磁気抵抗が非常に小さいため,直流偏磁の影響を受けやすい。本稿では,変圧器の直流偏磁現象について述べる。
水力エネルギーの未利用地点は落差や流量の小さい場合が多く,このような地点の発電所に選定される効率のよい水車は限られ,チューブラ水車やバルブ水車などの反動水車が多く採用されている。 また,S 形チューブラ水車は,水路外部に発電機を設置できるため…