近年,石炭火力発電は地球環境問題と資源有効利用の観点から高効率化と高い環境特性が求められていることから,従来の微粉炭燃焼に代わる技術としてPFBC(Pressurized Fluidized Bed Combustion)の開発・導入が進められている。
この発電方式は,圧力容器内の加圧状態にあるボイラ内で,石炭,石灰石及び灰の混合物を燃焼させた流動層内において,発生した熱を高い熱伝達特性を持つ層内伝熱管により高温蒸気として回収し,蒸気タービン・発電機を駆動させるとともに,高温のボイラ排ガスを利用してガスタービン・発電機を駆動させる複合発電方式であり,次のような特徴がある。
a. 高効率化
複合発電方式による高効率化のほか,ボイラ内の酸素分圧が高く,燃焼ガスの滞留時間が長いため,燃焼効率が良く発電効率が高い。
b. 高効率化
- 流動材として使用している石灰石により炉内脱硫が可能である。
- 燃焼温度が低いことから窒素酸化物の発生が少ない。
c. コンパクト化
加圧下で燃焼させるためボイラが小形化できる。
また,排煙脱硫装置が不要であることから,発電所をコンパクト化できる。
参考文献
- 平成14年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 電力 問5
更新履歴
- 2022年6月18日 新規作成