ケーブルの損失低減について述べる。
交流導体抵抗の低減
ケーブルの導体損失の主要な低減方策としては,導体の大サイズ化による交流導体抵抗の低減があげられる。
しかし,導体の大サイズ化に伴い表皮効果によって,この効果は小さくなるため,これを抑えるために大サイズ導体では分割圧縮導体が採用されている。
また,最近では,素線絶縁導体も開発されている。
誘電損失の低減
ケーブルの誘電損失は,誘電率と誘電正接に比例し,電圧の 2 乗に比例して増大するため,特に超高圧線路では問題となってくる。
このため,最近では超高圧地中送電線路においては,誘電率と誘電正接が小さい CV ケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)及び低損失 OF ケーブル等が採用されてきている。
シース損失低減
ケーブルのシース損失には,シース回路損失とシース渦電流損失があり,前者の対策としては,単心ケーブルのクロスボンド接地があげられる。
また,後者の対策としては,適正なケーブル配置等により対処している。
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参考文献
- 平成8年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 電力 問6
更新履歴
- 2022年6月29日 新規作成