架空送電
電線に電流を通じると,抵抗による発熱のため電流温度は周囲温度より高くなる。 電線の温度がある限度以上に高くなると,電線の諸性能,たとえば引張強さは,電線が焼きなまされて低下する。 そこで,電線の性能に悪影響を及ぼさないように一定限度の温度(…
地中送電線路の故障は永久地絡がほとんどなので保護リレーの動作状況や線路の絶縁抵抗,心線の導通状態から事故種別を把握し,マーレーループ法,静電容量法,パルスレーダ法など適切な方法により故障点を見つければよい。 ランキング参加中電気主任技術者 …
電力系統への襲雷の予測方法には,以下のものがある。 気象庁などの気象情報サービス機関からの予測情報に基づく短期予測 気象衛星,雷観測レーダなどからの雷雲の分布,高度などの情報による襲雷位置,時間の短時間予測 落雷時の放電に伴う電磁波などの観測…
電力系統は,構成要素である送電線・変電機器などの設備が有機的に関係し合い,システム全体として,最適な機能を発揮するように設計する必要がある。 このような電力系統と設備との協調(「システムコーディネーション」と呼ばれている)に関して,説明する…
「電気設備に関する技術基準を定める省令」及び「電気設備の技術基準の解釈」に基づき,絶縁性能を確認するために現場で行う試験について,低圧の電線路と高圧以上の電線路における試験方法の違いを説明する。 低圧の電線路の絶縁性能 低圧電線路の絶縁性能…
架空送電線の電線の太さの選定について,説明する。 架空送電線の電線の太さを選定するにあたっては,様々な要因を考慮する必要があるが,その要因としては,電気的要因,機械的要因(強度・重量・耐振性・工事上の取り扱いなど)や価格などがある。 太さの…
次の文章は,電気設備技術基準の解釈 第37条【避雷器等の施設】である。 図 避雷器の図記号 a. 高圧及び特別高圧の電路中,次に掲げる箇所又はこれに近接する箇所には,避雷器を施設すること。 発電所又は変電所若しくはこれに準ずる場所の架空電線の引込口…
架空送電線の絶縁設計では,常規商用周波電圧に耐えることはもちろん,線路の開閉時に生じる開閉サージ電圧及び負荷の急変あるいは線路故障時に発生する持続性異常電圧に対しても,絶縁破壊を起こさないような考え方が適用されている。 内部異常電圧 開閉サ…
架空電線,架空電力保安通信線及び架空電車線は,接触又は誘導作用による感電のおそれがなく,かつ,交通に支障を及ぼすおそれがない高さに施設しなければならない。 架空電線等の高さ 特別高圧架空電線路の高さ 高圧架空電線路の高さ 参考文献 更新履歴 架…
電線,支線,架空地線,弱電流電線等(弱電流電線及び光ファイバーケーブルをいう。以下同じ。)その他の電気設備の保安のために施設する線は,通常の使用状態において断線のおそれがないように施設しなければならない。 電線の混触の防止 電気設備に関する…
電線の張力計算に用いる想定荷重は,電線がケーブルである場合を除き,水平荷重 $W_\text{W}$ [N/m] と垂直荷重 $W_\text{V}$ [N/m] の合成荷重 $W_\text{S}$ [N/m] を用いる。 図 電線の張力計算に用いる想定荷重 合成荷重 $W_\text{S}$ [N/m] は,次式で示…
架空送電線は,山間地の水力発電所,沿岸部の火力・原子力発電所から需要地点に至るまで,山岳部,平野部,沿岸部と様々な立地条件の中を経過しており,雨や風,雪や雷等自然現象に起因する事故が多いだけではなく,鳥獣や樹木の接触,架空送電線付近で行わ…
高圧又は特別高圧の架空電線路の支持物として使用する木柱, A 種鉄筋コンクリート柱又は A 種鉄柱には,次により支線を施設すること。 電線路の水平角度が 5 度以下の箇所に施設される柱であって,当該柱の両側の径間の差が大きい場合は,その径間の差によ…
次の文章は,「電気設備技術基準」及び「電気設備技術基準の解釈」における,架空電線路の支持物の昇塔防止に関する記述である。 架空電線路の支持物には,感電のおそれがないよう,取扱者以外の者が容易に昇塔できないように適切な措置を講じなければならな…
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」(第95条)【特別高圧保安工事】に関する記述である。 第 1 種特別高圧保安工事 電線には,圧縮接続による場合を除き,径間の途中において接続点を設けないこと。 支持物は,B 種鉄筋コンクリート柱,B 種鉄柱又は鉄…
架空送電線路 (overhead power transmission line) は発電所で発生した電力を効率よく,安定に,しかも経済的に需要地域まで輸送する役割を担っている。 架空送電線路に使用される電線 電線のたるみ 電線のたるみを計算する際に用いられる弾性係数 電線荷重 …
送電線や変電機器のがい管,がいしには,従来から磁器製のものが広く採用されているが,近年,これに加えて FRP 製の筒にシリコーンゴムを被覆した複合がい管・がいしが採用されてきている。 複合がい管・がいしの長所は,軽量であること,はっ水性があるた…
送電鉄塔の荷重設計で支配的なのは,通常は強風又は着氷雪荷重であり,一般的な建築物が地震荷重である点と異なる。 これは鉄塔がトラス構造物であり建築物に比べて軽いことに加えて架渉線を有していることによる。 法的な定め 電気設備に関する技術基準を定…
本稿では,架空送電線の振動現象について述べる。 カルマン渦による微風振動 振動防止方法 テーパアーマロッド ダンパ その他応力の抑制 ギャロッピング ギャロッピング防止対策(Galloping Preventive measures) ギャロッピング防止に資する対策品 ギャロ…
架空送電線では,雷による逆フラッシオーバやアーキングホーンを介した気中フラッシオーバ事故が多い。 気中フラッシオーバ事故は長い時間放置しておけば,がいし損傷などの機器故障に至るが,保護リレーで速やかに事故区間を遮断すればがいしは損傷を受けな…
送電線路で送電できる送電容量は様々な制約条件を考慮して定められる。それぞれの制約により,送電容量を増加させるための対策は異なる。
本稿では,架空送電線路の雷害対策について述べる。 架空送電線路の雷害対策の概要 フラッシオーバと逆フラッシオーバ フラッシオーバ 逆フラッシオーバ アークホーン 送電用避雷装置 ギャップ付送電用避雷装置 (EGLA) ギャップレス避雷装置 (NGLA) IEC 6009…
送電線に隣接する通信線路への電磁誘導(electromagnetic induction)による異常時誘導電圧は,送電線に 1 線地絡事故が発生した場合に事故電流が大地帰路電流となって流れることにより誘起される。 誘起電圧低減対策のうち,送電線の対策としては,架空地線…