目指せ!電気主任技術者~解説ノート~

第一種電気主任技術者の免状保有者がまとめた電気主任技術者試験の解説ノートです。

架空送電線の保守

架空送電線は,山間地の水力発電所,沿岸部の火力・原子力発電所から需要地点に至るまで,山岳部,平野部,沿岸部と様々な立地条件の中を経過しており,雨や風,雪や雷等自然現象に起因する事故が多いだけではなく,鳥獣や樹木の接触,架空送電線付近で行われる工事用の重機や他工作物の接近等による障害も多い。

架空送電線の保守の目的は,基本的には,電力の安定供給と設備の合理的な維持であり,目的達成のために必要な業務は,大別すると,巡視,点検,補修作業,事故処理,渉外業務に分類できる。

巡視は,保守の目的を達成するために必要な業務の一つであり,架空送電線の状況を常に的確に把握するため,設備の外観等を見回り,事故の原因となる障害箇所を事前に発見し,その未然防止を図るとともに,設備の補修に必要なデータその他の資料を集めるための業務である。

巡視には幾つかの種類があるが,一般的に定期巡視のうち特定巡視と呼ばれるものは,市街地やその周辺など架空送電線の経過地の状況変化が著しく,架空送電線に障害を及ぼすおそれのある工作物の新増設や土地造成に伴う異常等を早期に発見するため,区間を定めて行う巡視をいう。

参考文献

更新履歴

  • 2022年4月11日 新規作成