目指せ!電気主任技術者~解説ノート~

第一種電気主任技術者の免状保有者がまとめた電気主任技術者試験の解説ノートです。

事業用電気工作物の設置又は変更の工事

電気事業法では,「事業用電気工作物の設置又は変更の工事であって,主務省令で定めるものをしようとする者は,その工事の計画を主務大臣に届け出なければならない。」としており,主務省令においては,次のような規定がある。

  1. 出力 10 000 kW 以上の火力発電所の設置であって内燃力を原動力とするものの設置
  2. 出力 2 000 kW 以上の太陽電池発電所の設置
  3. 受電所において,電圧 100 kV 以上であって容量 10 000 kV・A 以上の変圧器に電圧調整装置を付加する改造
  4. 受電電圧 10 kV 以上の需要設備(鉱山保安法が適用されるものを除く。 5 も同じ。)の設置
  5. 需要設備における電圧 100 kV 以上の電線路の改造であって,電気方式又は回線数の変更を伴うもの

電気事業法 第47条 工事計画

第一項

事業用電気工作物の設置又は変更の工事であつて、公共の安全の確保上特に重要なものとして主務省令で定めるものをしようとする者は、その工事の計画について主務大臣の認可を受けなければならない。

ただし、事業用電気工作物が滅失し、若しくは損壊した場合又は災害その他非常の場合において、やむを得ない一時的な工事としてするときは、この限りでない。

第二項

前項の認可を受けた者は、その認可を受けた工事の計画を変更しようとするときは、主務大臣の認可を受けなければならない。

ただし、その変更が主務省令で定める軽微なものであるときは、この限りでない。

第三項

主務大臣は、前二項の認可の申請に係る工事の計画が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、前二項の認可をしなければならない。

  1. その事業用電気工作物が第三十九条第一項の主務省令で定める技術基準に適合しないものでないこと。
  2. 事業用電気工作物が一般送配電事業又は配電事業の用に供される場合にあつては、その事業用電気工作物が電気の円滑な供給を確保するため技術上適切なものであること。
  3. 特定対象事業に係るものにあつては、その特定対象事業に係る第四十六条の十七第二項の規定による通知に係る評価書に従つているものであること。
  4. 環境影響評価法第二条第三項に規定する第二種事業(特定対象事業を除く。)に係るものにあつては、同法第四条第三項第二号(同条第四項及び同法第二十九条第二項において準用する場合を含む。)の措置がとられたものであること。

第四項

事業用電気工作物を設置する者は、第一項ただし書の場合は、工事の開始の後、遅滞なく、その旨を主務大臣に届け出なければならない。

第五項

第一項の認可を受けた者は、第二項ただし書の場合は、その工事の計画を変更した後、遅滞なく、その変更した工事の計画を主務大臣に届け出なければならない。

ただし、主務省令で定める場合は、この限りでない。

送電線路における電線路の変更の工事

送電線路における電線路の変更の工事のうち,経済産業大臣に対する工事計画の届出が必要なものは,電圧 170 [kV] 未満の電線路の電圧を 170 [kV] 以上とする改造工事の他,電圧 170 [kV] 以上の電線路の以下に示す変更の工事である。

  1. 1 [km] 以上の延長
  2. 電圧の変更(昇圧に限る。)
  3. 電気方式又は回線数の変更
  4. 電線の種類の変更
  5. 電線の 1 回線当たりの条数の変更(電圧 300 [kV] 以上の電線路に係るものに限る。)
  6. 20 [%] 以上の電線の太さの変更(電圧 300 [kV] 以上の電線路に係るものに限る。)
  7. 支持物(上部及び基礎)の種類又は基数の変更(電圧 300 [kV] 以上の電線路に係るものに限る。)
  8. 地中電線路の布設方式の変更
  9. 左右 50 [m] 以上の位置変更

上記 a. の届出をした者は,経済産業大臣が期間短縮を認める場合を除き,その届出が受理された日から 30 日を経過した後でなければ,その届出に係る工事を開始してはならないとともに,その使用開始前に当該電線路について自主検査を行い,その結果を記録し,これを保存しなければならない。

参考文献

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