目指せ!電気主任技術者~解説ノート~

第一種電気主任技術者の免状保有者がまとめた電気主任技術者試験の解説ノートです。

支持物の倒壊の防止

架空電線路又は架空電車線路の支持物の材料及び構造(支線を施設する場合は,当該支線に係るものを含む。)は,その支持物が支持する電線等による引張荷重,風速 40 [m/s] の風圧荷重及び当該設置場所において通常想定される気象の変化,振動,衝撃その他の外部環境の影響を考慮し,倒壊のおそれがないよう,安全なものでなければならない。

ただし,人家が多く連なっている場所に施設する架空電線路にあっては,その施設場所を考慮して施設する場合は,風速 40 [m/s] の風圧荷重の 2 分の 1 の風圧荷重を考慮して施設することができる。

特別高圧架空電線路の支持物は,構造上安全なものとすること等により連鎖的に倒壊のおそれがないように施設しなければならない。

架空電線路の支持物が「電気設備技術基準の解釈」の規定により耐えるべきものとされた荷重が加わる場合における当該荷重に対する当該支持物の基礎の安全率は, 2 (同解釈 第114条 第1項 に規定する異常時想定荷重が加わる場合における当該異常時想定荷重に対する鉄塔の基礎にあっては 1.33)以上であること。

異常時想定荷重とは,架渉線の切断を考慮する場合の荷重であって,風圧が電線路に直角の方向に加わる場合と電線路に平行な方向に加わる場合とについて,それぞれ「電気設備技術基準の解釈」に規定された組み合わせの荷重を計算し,各部材について,その部材に大きい応力を生じさせる方の荷重である。

特別高圧架空電線路の支持物に,懸垂がいし装置を使用する鉄塔を連続して使用する部分は,10 基以下ごとに,異常時想定荷重の不平均張力を想定最大張力とした懸垂がいし装置を使用する鉄塔を 1 基施設すること。

架空電線路の支持物として使用する,B 種鉄筋コンクリート柱,B 種鉄柱及び鉄塔は,架空電線路の使用電圧及び支持物の種類に応じ,下表に規定する荷重に耐える強度を有するものであること。

使用電圧の区分 種類 荷重
低圧 全て 風圧荷重
高圧 全て 常時想定荷重
特別高圧 鉄筋コンクリート柱又は鉄柱 常時想定荷重
鉄塔 常時想定荷重の 1 倍及び異常時想定荷重の 2/3 倍(腕金類については 1 倍)の荷重

臨時電線路の施設においては,架空電線路の支持物として使用する鉄塔であって,使用期間が 6 月以内のものは,支線を用いてその強度を分担させることができる。

特別高圧電線路の臨時電線路の施設

特別高圧架空電線路の支持物として使用する鉄塔は,使用期間が 6 月以内のものに限り,支線を用いてその強度を分担させることができる。

上記 a. の場合,その支線として,日本工業規格 JIS G 3525 (2006) に規定するワイヤロープで,公称径が 10 [mm] 以上のものを使用することができる。

災害後の復旧に用する地上に施設する特別高圧電線路であって,その工事が完了した日から 2 月以内に限り使用する場合は,次の各号により施設することができる。

  • 電線はケーブルであること。
  • 電線を施設する場所には,取扱者以外の者が容易に立ち入らないようにさく,へい等を設け,かつ,人が見やすいように適当な間隔で危険である旨の表示をすること。
  • 電線は,重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがないように施設すること。

参考文献

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