目指せ!電気主任技術者~解説ノート~

第一種電気主任技術者の免状保有者がまとめた電気主任技術者試験の解説ノートです。

他の電線,他の工作物等への危険の防止

次の文章は,電気設備に関する技術基準を定める省令 第2章 電気の供給のための電気設備の施設の一部である。

低圧電線路の絶縁性能

低圧電線路中絶縁部分の電線と大地との間及び電線の線心相互間の絶縁抵抗は,使用電圧に対する漏えい電流が最大供給電流の 2 000 分の 1 を超えないようにしなければならない。

架空電線路からの静電誘導作用又は電磁誘導作用による感電の防止

特別高圧の架空電線路は,通常の使用状態において,静電誘導作用により人による感知のおそれがないよう,地表上 1 m における電界強度が 3 kV/m 以下になるように施設しなければならない。ただし,田畑,山林その他の人の往来が少ない場所において,人体に危害を及ぼすおそれがないように施設する場合は,この限りでない。

電気機械器具等からの電磁誘導作用による人の健康影響の防止

変電所又は開閉所は,通常の使用状態において,当該施設からの電磁誘導作用により人の健康に影響を及ぼすおそれがないよう,当該施設の付近において,人によって占められる空間に相当する空間の磁束密度の平均値が,商用周波数において 200 μT 以下になるように施設しなければならない。

ただし,田畑,山林その他の人の往来が少ない場所において,人体に危害を及ぼすおそれがないように施設する場合は,この限りでない。

電線の混触の防止

電線路の電線、電力保安通信線又は電車線等は、他の電線又は弱電流電線等と接近し、若しくは交さする場合又は同一支持物に施設する場合には、他の電線又は弱電流電線等を損傷するおそれがなく、かつ、接触、断線等によって生じる混触による感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。

電線による他の工作物等への危険の防止

電線路の電線又は電車線等は、他の工作物又は植物と接近し、又は交さする場合には、他の工作物又は植物を損傷するおそれがなく、かつ、接触、断線等によって生じる感電又は火災のおそれがないように施設しなければならない。

低高圧架空電線と建造物との接近

a) 高圧架空電線が,建造物と接近状態に施設される場合の離隔距離は,次の表に規定する値以上であること。

架空電線の種類 区分 離隔距離
ケーブル 上部造営材の上方 1 m
その他 0.4 m
その他 上部造営材の上方 2 m
人が建造物の外へ手を伸ばす又は身を乗り出すことなどができない部分 0.8 m
その他 1.2 m

b) 高圧架空電線が,建造物の下方に接近して施設される場合は,高圧架空電線と建造物との離隔距離は,次の表に規定する値以上とするとともに,危険のおそれがないように施設すること。

電線の種類 離隔距離
ケーブル 0.4 m
その他 0.8 m

c) 高圧架空電線が,建造物に施設される簡易な突き出し看板その他の人が上部に乗るおそれがない造営材と接近する場合において,次に該当するときは,高圧架空電線と当該造営材との離隔距離は,a) 及び b) によらないことができる。

地中電線等による他の電線及び工作物への危険の防止

地中電線、屋側電線及びトンネル内電線その他の工作物に固定して施設する電線は、他の電線、弱電流電線等又は管(他の電線等という。以下この条において同じ。)と接近し、又は交さする場合には、故障時のアーク放電により他の電線等を損傷するおそれがないように施設しなければならない。

ただし、感電又は火災のおそれがない場合であって、他の電線等の管理者の承諾を得た場合は、この限りでない。

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異常電圧による架空電線等への障害の防止

特別高圧の架空電線と低圧又は高圧の架空電線又は電車線を同一支持物に施設する場合は、異常時の高電圧の侵入により低圧側又は高圧側の電気設備に障害を与えないよう、接地その他の適切な措置を講じなければならない。

特別高圧架空電線路の電線の上方において、その支持物に低圧の電気機械器具を施設する場合は、異常時の高電圧の侵入により低圧側の電気設備へ障害を与えないよう、接地その他の適切な措置を講じなければならない。

参考文献

更新履歴

  • 2022年5月9日 新規作成
  • 2024年9月1日 参考文献に「令和6年度 第二種 電気主任技術者 一次試験 法規 問2」「令和6年度 第二種 電気主任技術者 一次試験 法規 問5」を追加