本稿では,火力発電所に設置される主変圧器と所内変圧器について述べる。
主変圧器
低圧側電圧を発電機端子電圧にほぼ等しくすることから,低圧部には大電流が流れる
そのため,巻線漏れ磁束や巻線リードの磁界による構造部材の局部過熱への配慮が必要である。また,発電機端子電圧から系統電圧へ直接昇圧するため,変圧比が大きい。
巻線の結線方法は,第 3 次高調波を循環させることが可能であること,低圧の中性点が発電機で接地できることから,低圧側 Δ 形-高圧側 Y 形が適用される。
わが国の大容量火力発電所は,海上輸送が可能な沿岸地域に立地することが多く,重量や寸法などの輸送制約が少ないこと,また,高圧側引き出しにエレファント形接続方式を採用することが多く,絶縁距離による配置制約がないことから,三相器として製作されることが多い。
所内変圧器
火力発電所の所内補機動力は所内変圧器から供給される。
所内変圧器のインピーダンスの選定に際しては,次のことを配慮する必要がある。
- 補機電動機郡の始動時における所内母線の電圧降下を適切な値に制限する必要があり,これが上限値となる。
- 所内母線の短絡電流を遮断器の遮断電流以下に制限する必要があり,これが下限値となる。
- 変圧器の使用として指定又は補償されたインピーダンスには裕度があり,これを考慮して上限値及び下限値を満足するインピーダンスとする。
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