プロペラ水車
プロペラ水車は反動水車に属し,流水がランナの軸方向に通過する水車である。
そのランナ羽根には固定構造のものと可動構造のものがある。
可動構造で縦軸形のものをカプラン水車(Kaplan turbine)といい現在一般に広く採用されている。
ダム式発電所や落差の低い発電所では,落差変動が水車の特性に大きな影響を与える。
いま,回転速度及び水口開度を一定に保ち,落差変動による効率の変化はないと仮定すると,水車出力は落差の 3/2 乗に比例して増減するはずであるが,実際には落差の変化とともに効率も変化し,出力はこの影響を受ける。
一般的には落差が低くなるときの方が,高くなるときよりも効率の低下は著しい。
比較的落差が低く落差変動が大きい発電所には,カプラン水車の適用が一般的に有利である。
カプラン水車では,落差変動に応じてランナベーン角度を適切に調整すれば効率の低下は少ない。
カプラン水車は比較的低落差・大容量の水車に適し,主な特徴としては,次のとおりである。
- 比速度を大きくとれるので,水車,発電機が小形になる。
- 羽根の角度を自動的に変えるので,部分負荷での効率低下が少ない。
- 羽根を単独に取り外せるため,保守・点検が容易となる。
- 羽根の間隔が広いので,流水に混入した異物による障害が少ない。
斜流水車
斜流水車はデリア水車(Deriaz turbine)とも呼ばれ,フランシス水車とカプラン水車を組み合わせた構造となっている。
カプラン水車と同様な操作機構を持つ斜流水車は,カプラン水車に比べて高落差まで適用が可能である。
斜流水車の主な特徴は,次のとおりである。
- フランシス水車に比べ,変落差,変出力の特性に優れている。
- カプラン水車に比べ,高落差における羽根の作用荷重が少ないので,操作機構が小さく,損失も少ない
- 無拘束速度はカプラン水車より低く,フランシス水車に似ている
- 水車ランナはフランシス水車とカプラン水車の中間的構造となっている
electrical-engineer.hatenablog.jp
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更新履歴
- 2021年12月22日 新規作成
- 2021年12月24日 斜流水車の説明を追記