変電所母線(bus-bar)などの結線方式には,単母線方式,複母線方式(二重母線方式),ユニット方式などがあるが,結線方法の選定の一般的な考え方と特徴について述べる。
変電所の結線方式を決定する際に考慮すべきこと
- 送電線事故,母線事故時の系統への影響・供給信頼性
- 変化する電源,送電線工事に対応する適応性
- 送電線や変圧器の増設工事における安全性
- 点検等による停止の難易など系統運用操作の容易性
- 設置スペースなども含めた経済性
単母線方式の長所・短所
端母線方式(Single bus arrangemnet)は,複母線方式に比べ,所要機器は少ないため,変電所スペースは小さくなる。
母線事故時,当該母線が停止し,送電線や変圧器も停止する。
保守面では,母線側断路器等の点検のために全停電となる場合がある。
複母線方式の長所・短所
複母線方式(Doubule bus arrangement)は,単母線方式に比べ,所要機器は多いため,変電所スペースは大きくなる。
母線事故時,当該母線に接続されている送電線や変圧器を,もう一方の母線に直ちに切り替え可能である。
electrical-engineer.hatenablog.jp
保守面では,設備停止が容易になる。
二重母線 1 ブスタイ方式
二重母線 1 ブスタイ方式(Double bus 1 bus tie arrangement)は,二重母線に 1 ブスタイ(母線連絡)がある方式である。
二重母線 1・1/2 LS 方式
二重母線 1・1/2 LS 方式(Double bus 1・1/2 LS arrangement)は,母線間に 3 つの断路器がある方式である。
ユニット方式
ユニット方式(Unit arrangement,変圧器 DS ユニット方式)の単線結線図を下図に示す。
参考文献
- 平成30年度 第二種 電気主任技術者 二次試験 電力・管理 問2「変電所母線などの結線方式」
更新履歴
- 2022年10月19日 新規作成
- 2023年8月12日 二重母線 1 ブスタイ方式,二重母線 1・1/2 ブスタイ方式の母線形態を追加