目指せ!電気主任技術者~解説ノート~

過去,電気主任技術者試験に出題された問題を基に,解説ノートを作成しています。

水力発電所の入口弁と型式と機能

入口弁は,ケーシングの入口に設けられ,水車の始動・停止に伴って開閉される止水弁で,主弁とバイパス弁からなる。

入口弁の設置目的は以下のとおり。

  • 水車停止時の漏水を少なくし,ガイドベーン又はニードルの磨耗を防ぐ。
  • 水車の内部点検時に水車断水時間を短縮する。
  • 水車停止時にガイドベーン又はニードルが閉鎖不能になったとき流水を遮断する。
  • 水路を共有するほかの水車などがある場合に当該水車のみ断水する。

水車始動時には,主弁の前後の水圧差を解消する目的で,まずバイパス弁を開いて,主弁前後の水圧を平衡させ,その後,主弁を開いていく。中小水力のうち低落差のものにおいては,主弁操作力の向上からバイパス弁を省略する場合もある。

最近では,落差が 150 m 程度以下で水路の短い発電所では,取水設備に非常用閉鎖装置を有する制水門を設置することで,入口弁を省略することも多い。

入口弁の種類としては,スルース弁,ロータリ弁,ちょう形弁などがあるが,最近では,ちょう形弁に代わり,全開時の圧力損失の少ない複葉弁が使われている。

ロータリ弁

ロータリ弁は高落差の水力発電所に適している。

ロータリ弁は,流れ方向に直角に設けられた軸を中心として,管状の弁体が回転する。開放したときにこの弁体内を流水が通過するので,弁部の圧力損失が最も少ない。

ちょう形弁

ちょう形弁は,流れ方向に直角に設けられた軸を中心に回転し,凸レンズ形の弁体が全開時に流路中心にあるので,圧力損失はロータリ弁,複葉弁に比べて大きいとされている。

参考文献

更新履歴

  • 2021年11月23日 新規作成