水車発電機の励磁巻線に直流電流を供給し，発電機の端子電圧を一定に保持，あるいは調整する装置を励磁装置と言う。
励磁装置の方式
励磁装置は，その電源に直流発電機を用いる方式（直流励磁機方式）と整流器を用いる方式（整流器励磁方式）に大別される。
旧来は直流励磁機方式が主流であったが，近年では半導体技術の進歩により，整流器方式が主流となっている。
サイリスタ励磁装置
整流器励磁方式の一つであるサイリスタ励磁装置は，励磁用変圧器から得た交流を励磁装置の電源として用い，これを直流に整流して励磁電流とする。
サイリスタ励磁装置は，一般的に揚水などの大容量機に採用される。
サイリスタ励磁装置の特徴は以下のとおり。
- 発電機界磁を直接制御するため速応性が高いことに加え，励磁系の頂上電圧を高くすることができるので，系統事故除去後の回復電圧を高くし，過渡安定性の向上に寄与することができる。
- 静止機器であるため，保守点検が（比較的）容易である。
サイリスタ励磁装置の一般的構成としては，検出回路で電圧調整抵抗器により設定した基準電圧と端子電圧との偏差を検出し，増幅回路に入力し，ゲートパルス発生回路により整流器を制御して，励磁電流を調整する。
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参考文献
- 令和6年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 電力 問1「水車発電機の励磁装置」
更新履歴
- 2024年9月1日 新規作成
