蒸気タービン・サイクルは,蒸気タービンの他に復水器,給水加熱器,ポンプ類などで構成される。
これらは,蒸気タービン・サイクルの補機として位置づけられる。
本稿では,復水器について述べる。
復水器(condenser)
復水器は,タービン排気を冷却・凝縮させ,復水するものである。
復水器は,鋼板製の胴体の中に多数の冷却管が挿入され,両端は管板に拡管されて取り付けられている。
普通,冷却管は直径 1 インチ程度の黄銅系またはチタンの管が 1 ~ 3 万本前後挿入されている。
胴体と管の熱膨張差に対しては,伸縮接手を介して管板を胴体に取り付けている。
冷却管の入口にはゴミが詰まるため,定期的に流れの向きを変えて冷却水の出入口を反対にしてゴミを流し去る方法や,水質入口に渦流フィルタを取り付けてゴミの流入を防ぐ方法が用いられている。
復水器と蒸気タービンの排気室の接続に対しても熱膨張を考えて,伸縮接手を使用する。
構造
大形プラントの復水器では,配置の効率化や,低圧抽気管の配管引回し軽減のため,復水器中間胴部に低圧給水加熱器を内蔵するのが一般的である。
また,起動時や非常時にタービンをバイパスさせて蒸気の一部を復水器に回収することがある。
この場合は復水器冷却管保護のため減圧・減温装置を設ける。
復水器の性能は冷却管内の汚れ度合いに大きく左右されるので,プラント運転中は冷却水の水質によって逆洗や除貝装置により貝などを取り除いたり,スポンジボールなどによる洗浄を実施したりすることによって冷却管内の洗浄度を高めている。
水室は二分割式とし,運転中でも検査・手入れができるようにしたものが多い。
参考文献
更新履歴
- 2021年11月24日 新規作成