コージェネレーション(cogeneration)*1とは,ガス・石油などの燃料により原動機(ディーゼルエンジン・ガスエンジン・ガスタービン等が多い)を駆動して発電機を回転させて発電を行うと同時に,原動機の排熱を回収して利用するシステムである。
ホテルや病院など比較的熱需要の多い建物において電力需要と熱需要に見合った適切な容量を選定できれば,75~85 パーセントの総合エネルギー効率が実現できる。
しかし,実際にはコージェネレーションによる発電量や供給熱量が需要家側の消費量と一致しない場合が多いので,設備を導入すれば常に大きなエネルギーコスト低減効果と省エネルギー効果があげられるとは限らない。
従来から電力とともに蒸気を大量に使用する紙パイプ産業等熱多消費産業で大規模なものが導入されていたが,1980 年代後半から,ホテル・病院等民生用においても普及が進んだ。
なお,最近では燃料電池によるコージェネレーションシステムも多い。固体高分子形燃料電池(polymer electrolyte fuel cell)*2は,作動温度がおよそ 80 °C であり,上述の各種原動機を駆動する方式と比べ可動部が少なく低騒音である。また,発電時に二酸化炭素排出量が少ないという特徴を有している。
参考文献
- 電気事業講座 電気事業辞典
- 平成29年度 第二種 電気主任技術者 一次試験 電力 問5
更新履歴
- 2021年11月22日 新規作成