バイオマスは,再生可能な,生物由来の有機性資源(化石資源を除く。)であるから,燃焼時は二酸化炭素を発生する。
その排出量は,植物起源のバイオマスの場合,植物が成長過程で大気中から吸収した二酸化炭素の量に等しい。
このため,植物起源のバイオマスを利用した発電では,環境中の炭素循環からみれば,二酸化炭素の量は増加しないカーボンニュートラルという特性をもっている。
バイオマスは,様々な形態があるが,有機分は固体燃料,気体燃料又は液体燃料に変えることができる。このうち固体燃料として,林地残材などの木質燃料があり,直接燃焼させる発電方式として汽力発電が採られている。また,気体燃料として,固体燃料を熱分解したガスや家畜糞尿を発酵させたメタンガスなどが,液体燃料として,穀物を発酵させたエタノールなどがある。
バイオマス発電は,太陽光発電や風力発電と違い,気象などの自然状況に左右されることが少ない。また,ガスホルダーを有しているバイオマス発電所では出力調整が容易である。
バイオマス発電では誘導発電機が採用されている場合がある。「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」では,誘導発電機の並列時の瞬時電圧低下により系統の電圧が一定の限度を超えて逸脱するおそれのあるときは,誘導発電機に限流リアクトルを設置するなどの必要な対策を行うこととされている。
参考文献
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- 2022年8月19日 新規作成