火力発電所における大容量タービン発電機に関し,次の点について,水力発電所の水車発電機との相違点を挙げ,それらを対比して説明する。
回転速度
水車発電機の回転速度が 100 ~ 600 [min-1]程度と比較的低速であるのに対し,タービン発電機の回転速度は 3 000 [min-1](50 [Hz])または 3 600 [min-1](60 [Hz])と高速である。
主軸の設置方向と構造
タービン発電機の軸の設置方向は横軸となっており,回転速度が速いことから,軸方向に細長い構造となっており,軸受にはスラスト軸受が採用される。
一方,水車発電機の軸の設置方向は,立軸形と横軸形とに分けられ,一般に立軸形は大容量機に,横軸形は小容量機に用いられる。
タービン発電機の主軸の材料は,小容量機では炭素鋼,大容量機では Ni-Mo-V または Ni-Cr-Mo-V 鋼などが使用されることがある。
一方,水車発電機の主軸は水車からのトルク伝達,スラスト荷重の伝達および軸剛性を確保する機能が要求され,通常は段鋼製だが,大容量低速機ではトルクが大きくなるため径を大きくする必要があり,溶接構造が採用されることもある。
回転子の構造
タービン発電機には円筒形回転子が採用され,水車発電機には突極形回転子が採用される。
参考文献
更新履歴
- 2022年12月13日 新規作成