施設の遠隔監視やセキュリティの確保などの場面で,ディジタル画像の保存や伝送が行われている。
画像データは情報量が多く,保存や伝送に適するようデータを圧縮し,記憶容量を削減する必要がある。
2 値画像のデータ圧縮方法としてランレングス符号化がある。
2 値画像は同じ画素値が連続して並ぶことが多いため,画像を走査したときの白又は黒の連続する画素数を数値で表すことによって,データ量を圧縮することができる。
ファクシミリでは,この連続する画素数の統計的な発生確率を利用して,よく現れる数値には短い符号を,逆にほとんど現れない数値には長い符号を割り当てる可変長符号化であるハフマン符号化が応用されている。
カラー静止画像の場合は,非可逆圧縮方式の JPEG(Joint Photographic Experts Group)アルゴリズムが普及している。
この方式は,画像の空間周波数の高いところでは色差情報を粗くしても画像の劣化に気付きにくいことなどを利用してデータ量を圧縮したものである。
JPEG アルゴリズムの圧縮演算時は,最初に表色系を変換し,色差成分の間引きを行う。
その後,画像をブロック分割し,二次元離散コサイン変換(DCT : Discrete Cosine Transform)によって空間周波数を算出し,高周波成分には粗いビット数を割り当ててデータ量を削減する。
さらに,画像の走査方法を工夫し,エントロピー符号化によってデータ圧縮を行う。
ただし,画像の圧縮率が高いと劣化現象としてブロックノイズやモスキートノイズが発生するので,要求される画像品質に応じた演算パラメータの設定が必要である。
参考文献
- 平成30年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 機械 問7「画像データの圧縮技術」
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更新履歴
- 2022年7月11日 新規作成