目指せ!電気主任技術者~解説ノート~

第一種電気主任技術者の免状保有者がまとめた電気主任技術者試験の解説ノートです。

通信ネットワークにおけるデータ伝送制御の同期制御方式

電力システムなどの大規模システムにおいては,多数のコンピュータが高速で大容量の通信回線によって接続され,膨大なデータを伝送・交換しながらその大規模システム全体を制御・運用している。

データ通信の伝送制御としては,コンピュータと端末装置や周辺装置とのデータ通信が始まりといえる。

このデータの送受信には,送信側と受信側との同期をとる必要があり,下記の主な同期制御方式がある。

調歩同期方式

スタートやストップのビットを付加して送信する方式で,1 文字ごとに同期をとる必要があるため,非同期方式と呼ばれる。

また,伝送制御を実際に行うための伝送制御手順としては,受信する側の状態を確認することがないので無手順で使用される。

キャラクタ同期方式

データの前に SYN と呼ばれる特定ビットパターンを 2 回以上付加して送信し,受信側では,SYN 信号を受信すると受信側の時計を SYN 信号に同期させ,送られてきた文字列データを 8 ビットごとに 1 文字に変換する方式である。

フレーム同期方式

伝送路に常にビットパターンを送信し,これをもとに受信側で同期をとる方式で,任意のビット列データを送信でき,HDLC(High level Data Link Control)手順で使われている。

HDLC 手順

HDLC 手順は,情報伝送フレーム単位に,情報要求のつど伝送し,伝送先からの受信確認応答を確認して伝送を完了する方式であり,そのフレームのうちフレームチェックシーケンスを誤り検定のフィールドとして用いて,CRC (Cyclic Redundancy Check:巡回冗長符号) 方式による誤り検出用のビット列が送られる。

参考文献

  • 平成21年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 機械 問7「通信ネットワークにおけるデータ伝送制御の同期制御方式」

更新履歴

  • 2022年7月25日 新規作成