目指せ!電気主任技術者~解説ノート~

第一種電気主任技術者の免状保有者がまとめた電気主任技術者試験の解説ノートです。

遠隔監視制御装置

電力系統や産業プラントなどの大規模システムにおいて,遠方から伝送路を介して,多数の制御所を監視制御する遠隔監視制御装置が利用されている。

このような装置の伝送符号方式には,伝送制御手順の種類によって,サイクリック手順と,HDLC (High level Data Link Control) 手順があり,専用の通信ネットワークプロトコルに基づくネットワーク形態が採用されている。

サイクリック手順は,フレーム単位の情報をサイクリックに伝送する方式であり,符号の誤り検定方式として2連送反転照合とパリティ検定により,伝送信頼度を確保している。

一方,HDLC 手順は,情報伝送フレーム単位に,情報要求のつど伝送し,伝送先からの受信確認応答を確認して伝送を完了する方式であり,そのフレームのうちフレームチェックシーケンスを誤り検定のフィールドとして用いて,CRC (Cyclic Redundancy Check:巡回冗長符号) 方式による誤り検出用のビット列が送られる。

これらの伝送制御手順は,基本的には,OSI (Open Systems Interconnection:開放型システム間相互接続) 参照モデルのデータリンク層で規約されているプロトコルに位置づけられる。

最近では,インターネットプロトコルに基づくネットワーク形態の導入が進められており,OSI 参照モデルのトランスポート層に対応する UDP (User Datagram Protocol),TCP (Transport Control Protocol) などのプロトコルを活用して,伝送の標準化・統一化を図る一方,オープンネットワークからの分離のために,ファイアウォールなどによりセキュリティの確保を図っている。

参考文献

更新履歴

  • 2022年8月3日 新規作成