電気設備の監視制御装置などにインターネットが利用されつつあるが,電気設備のみならず現代のネットワーク社会において,暗号化技術が重要な役割を果たしている。
暗号化には,主に二つの機能があり,情報を「秘匿(守秘)機能」により保護するだけでなく,「認証」機能により情報に本人性や完全性等の信用を与えることで,ネットワーク社会における安全性と信頼性を実現できる。
秘匿(守秘)機能は,平文(データ)を送信者と受信者以外の第 3 者から隠すことであり,送信側で暗号鍵を用いて平文を暗号化し,受信側で復号鍵を用いてその暗号文を元の平文に復号して保護する。
この暗号鍵と復号鍵とが同じであるか,あるいは暗号鍵から復号鍵が容易に導けるものを共通鍵暗号方式と呼び,送信者と受信者はともにそれぞれの鍵を秘密に保たなければならない。
一方,公開鍵方式は,暗号鍵と復号鍵とが異なり,前者の鍵から後者の鍵を求めるのは難しく,鍵の管理の簡素化や,当事者間の解決に有用であるが,暗号化や復号が複雑となり,処理速度も低くなる。
認証機能は,人間やメッセージあるいは時刻といった対象によって分類される。
これらへの偽造行為の対策として,関数値から元の因数の値を求めるのが困難であるような一方向性ハッシュ関数と呼ばれる関数を利用して,メッセージ認証やディジタル署名などが実施される。
参考文献
- 平成19年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 機械 問7「暗号化技術」
更新履歴
- 2022年7月31日 新規作成