目指せ!電気主任技術者~解説ノート~

第一種電気主任技術者の免状保有者がまとめた電気主任技術者試験の解説ノートです。

伝送信号の変調方式

音声信号などのアナログ信号,コンピュータからのディジタル信号などの原信号を伝送路に適した波形に変換する操作を変調(modulation)と呼ぶ。

低周波電圧信号を変調信号(modulation signal),高周波電圧を搬送波(carrier),変調された信号を変調波(modulated wave)という。

変調を行うには,搬送波と呼ばれる適当な周波数をもつ信号のパラメータの一つ又は複数を,原信号に応じて変化させる。

伝送路を通した後,この変調を受けた波形から原信号を取り出す操作を復調(demodulation)と呼ぶ。

アナログ信号を変調する方式としては,搬送波を変化させるパラメータによって,振幅の変化で変調する振幅変調(AM:Amplitude Modulation),周波数の変化で変調する周波数変調(FM:Frequency Modulation),位相の変化で変調する位相変調(PM:Phase Modulation)などがある。

下図は,このうち AM を示している。

一方,ディジタル信号を変調する方式としては,ディジタルの符号に応じて搬送波を不連続的に偏移させる(Shift Keying)パラメータによって,振幅偏移変調(ASK:Amplitude Shift Keying),周波数偏移変調(FSK:Frequency Shift Keying),位相偏移変調(PSK:Phase Shift Keying),さらに,振幅変調と位相変調とを組み合わせた方式の一つに直交振幅変調(QAM:Quadrature Amplitude Modulation)がある。

図 2 は,このうち ASK を示している。

図 伝送信号の振幅変調と振幅偏移変調

図 伝送信号の振幅変調と振幅偏移変調

振幅変調(AM : amplitude modulation)

振幅変調とは変調信号を $v_\text{m}=V_\text{m}\cos{\omega_\text{m}t}$ とし,搬送波電圧を $v_\text{c}=V_\text{c}\cos{\omega_\text{c}t}$ として,搬送波の振幅を $V_\text{c}+v_\text{m}$ のように変化させることをいう。

振幅変調による変調波は次のように表せる。

\[ v = (V_\text{c} + V_\text{m} \cos{\omega_\text{m}t})\cos{\omega_\text{c}t} \]

下図に変調信号 $v_\text{m}$,搬送波電圧 $v_\text{c}$,振幅変調による変調波 $v$ を示す。

下図の変調信号の振幅は 2,周波数は 50 Hz,搬送波信号の振幅は 1,周波数は 400 Hz としている。

図 振幅変調

図 振幅変調

参考文献

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  • 2022年2月6日 新規作成