LNG(液化天然ガス,Liquefied Natural Gas)はメタン,エタンを主成分とする天然ガスを超低温で液化したもので,その主成分は約 9 割 がメタンで占められている。
メタンは常温・常圧で気体であるが -162 °C という超低温まで冷却すると液化し,体積は約 1/600 に減少するため大量貯蔵を可能としている。
低温技術が発達した結果,この特性を利用して大量の天然ガスを海上輸送することが可能となり,生産地から遠く離れた地域でも消費できるようになった。
また,液化する過程で硫黄分,窒素分,炭酸ガス,水分などの不純物を除去できるので大都市圏の大気汚染防止対策用のクリーンエネルギーとして注目されている。
LNG の特色としては石炭や石油に比べ発火点が高く,組成も単純で火炎が安定しているため燃焼制御が容易であり,燃焼による煤煙の発生がほとんどなく,また灰のような残留物もないことなどがあげられる。
LNG のプロジェクトは,
の各分野にわたって極めて多額の資金を必要とする。
参考文献
- 電気事業講座 電気事業辞典
- 令和3年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 電力 問2
更新履歴
- 2022年5月20日 新規作成