電子計算機の補助記憶装置として,固定磁気ディスク装置は広く使用されている。
データは,表面に磁性体を塗ったアルミニウムやガラス製のプラッタと呼ばれる磁気ディスクを磁化させ,その磁化の方向で 0 と 1 の情報として記録される。
アクセス時間
読み書きの命令を受けてから読み書きの動作が終了するまでの時間をアクセス時間と呼び,次式で求められる。
アクセス時間 = シーク時間 + データ転送時間 + サーチ時間
RAID システム
最近では,補助記憶装置のアクセス速度の高速化や,耐障害性を確保することを目的として,複数台の固定磁気ディスク装置をまとめて管理するディスクアレイシステムが利用されている。
これは RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)システムとも呼ばれ,各種のレベルがあり,次のような主要なものがある。
RAID0
一連のデータを複数の固定磁気ディスク装置に分割して書き込むストライピング(striping)と呼ばれる方法で,並行してデータの転送ができるのでアクセス時間を短縮できる。
これは,高速化だけを目的としたレベルである。
RAID1
並列的に接続された 2 台の固定磁気ディスク装置に同じデータを同時に書き込むミラーリングと呼ばれる方法で,アクセス速度の向上は図れないものの,信頼性を確保できるレベルである。
RAID2
RAID 2 とは,複数の外部記憶装置(ハードディスクなど)をまとめて一台の装置として管理する RAID 技術の方式の一つで,ハミングコードと呼ばれる誤り訂正符号を生成し,データとは別に分散して記録する方式。
効率の悪さなどからほぼ使われていない。
RAID3
RAID 3 とは,複数の外部記憶装置(ハードディスクなど)をまとめて一台の装置として管理する RAID 技術の方式の一つで,1 台をパリティと呼ばれる誤り訂正符号の記録に割り当て,残りの装置にビット単位やバイト単位でデータを分散記録する方式。
RAID4
RAID 4 とは,複数の外部記憶装置(ハードディスクなど)をまとめて一台の装置として管理する RAID 技術の方式の一つで,1 台をパリティと呼ばれる誤り訂正符号の記録に割り当て,残りの装置にブロック単位でデータを分散記録する方式。
RAID5
データを複数の装置に分割するとともに,データ回復用のパリティビットをそれぞれの装置に持ち合うことで,データの検証ができ,高速化だけでなく,信頼性も確保できるレベルである。
RAID6
RAID 6 とは,複数の外部記憶装置(ハードディスクなど)をまとめて一台の装置として管理する RAID 技術の方式の一つで,データからパリティと呼ばれる誤り訂正符号を 2 つ生成し,データとともに分散して書き込む方式。
参考文献
- 平成22年度 第二種 電気主任技術者 一次試験 機械 問8
更新履歴
- 2022年2月22日 新規作成
- 2022年2月23日 HDD の商品紹介を追加
- 2022年2月26日 参考文献に「システム構成要素|目指せ!応用情報技術者」を追加