大容量変圧器の輸送,現地据付作業における品質確保に必要な管理項目について,絶縁物の吸湿防止,異物混入防止,過大な衝撃防止等の観点について述べる。
大容量変圧器の輸送
変圧器輸送時は変圧器のブッシング保護の観点から,輸送車両にはタコグラフを取り付けて,工場から据付箇所までの輸送時における速度や加速度を管理して,過大な衝撃を防止する。
大容量変圧器の現地据付作業
現地作業準備時
据付作業準備時は天候によって作業の可否を決めるとともに,湿度および風速を管理する。また,粉じん計で,じんあいを管理する。
本体据付時
本体据付時は防じん室や防じんカバーを設けて異物混入を防ぐ。
また変圧器本体内で作業を行う作業員は,非導電性の作業服,靴,防止を着用する。
SF6 ガス封入時
ガス絶縁変圧器本体への SF6 ガス封入時は,吸着剤を事前に封入するとともに,ガス封入後,ガス圧が定格値であることを確認する。
また,SF6 ガスの水分測定を行い,水分量が管理値以内であることを確認する。
絶縁油注入時
油入変圧器の絶縁油の注入は,変圧器を事前に乾燥させた上で,絶縁油の真空脱気注油を行う。
また,絶縁油の水分,ガス分析を行い,管理値以内であることを確認する。
参考文献
- 平成17年度 第二種 電気主任技術者 二次試験 電力・管理 問2「変圧器の輸送,据付作業における品質確保」
更新履歴
- 2022年10月30日 新規作成