目指せ!電気主任技術者~解説ノート~

第一種電気主任技術者の免状保有者がまとめた電気主任技術者試験の解説ノートです。

火力発電所で用いられる貫流ボイラ

火力発電所で用いられている貫流ボイラの概要と特徴について説明する。

貫流ボイラの概要

貫流ボイラは自然循環ボイラ,強制循環ボイラのようにドラムおよび降水管を持たず,長い管の一端から給水ポンプで給水を押し込み,途中で順次,加熱,蒸発,加熱され,管の多端から蒸気を送り出すものである。

貫流ボイラの特徴

  • 亜臨界・超臨界ボイラとして使用されている。
  • ドラムが不要*1であり,蒸発管径を小さくでき,ボイラの高さ,配列などの設計が比較的自由にできる。
  • 低負荷や始動時の流量を一定限度以下に保つ必要がある。
  • 熱容量が小さく,急速に始動できる。

参考文献

更新履歴

  • 2022年10月31日 新規作成
  • 2023年8月26日 参考文献に「令和5年度 第二種 電気主任技術者 一次試験 電力 問5」を追加

*1:ドラムは,火炉水冷壁や蒸発管などで加熱された汽水混合物を導き,ここで蒸気と水を分離し,蒸気は過熱器へ,水は再度蒸発管に送るための設備である。そのため,汽水混合状態がない貫流ボイラでは用いられない。