変圧器の電路の絶縁耐力については,「電気設備技術基準の解釈」第16条 第1項 第1号の規定により,巻線の種類に応じた試験電圧及び試験方法で絶縁耐力を試験したときこれに耐えることとされている。
変圧器の電路は,次の各号のいずれかに適合する絶縁性能を有すること。
一 16-1 表*1中欄に規定する試験電圧を,同表右欄に規定する試験方法で加えたとき,これに耐える性能を有すること
また,同条 第1項 第2号の規定により,日本電気技術企画委員会規格 JESC E 7001(1998)[電路の絶縁耐力の確認方法]の「3.2 変圧器の電路の絶縁耐力の確認方法」による場合には,前項の規定によらないことができるとされている。
二 日本電気技術規格委員会企画 JESC E7001 (2010)「電路の絶縁耐力の確認方法」の「3.2 変圧器の電路の絶縁耐力の確認方法」により絶縁耐力を確認したものであること。
上記の「3.2 変圧器の電路の絶縁耐力の確認方法」は,次のとおりである。
変圧器の電路で,3-2-1表に定める規格の商用周波耐電圧試験による絶縁耐力を有していることを確認したものである場合において,常規対地電圧を電路と大地との間に連続して 10 分間加えて確認したときにこれに耐えること。
種類 | 絶縁耐力関係の規格 |
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変圧器 | 「変圧器」 電気学会 電気規格調査会標準規格 JEC-2200 「配電用 6 kV 油入変圧器」 日本工業規格 JIS C 4304 「配電用 6 kV モールド変圧器」 日本工業規格 JIS C 4306 |
変圧器の電路の絶縁性能確認の合理化
変圧器の輸送,現地組立作業の品質管理が確実にできていることを前提に,絶縁耐力を確認する方法がある。
この確認方法について重要な要件は二つある。
当該変圧器が,規格に定める交流耐電圧試験を工場において実施し,絶縁性能が確認されていること。
もう一つは,現地で変圧器に常規対地電圧を絶縁性能に影響がないことが確認できる一定時間(10 分間)印加すること。
参考文献
更新履歴
- 2022年9月5日 新規作成
- 2022年11月4日 参考文献に「平成30年度 第一種 電気主任技術者 二次試験 電力・管理 問6」を追加
*1:16-1 表において,変圧器の巻線の種類,試験電圧,試験方法が規定されている。