目指せ!電気主任技術者~解説ノート~

第一種電気主任技術者の免状保有者がまとめた電気主任技術者試験の解説ノートです。

電力系統の信頼度

電力供給に関する品質を表す基本的項目としては,一般に電圧変動,周波数変動,停電の三つが用いられるが,この中で社会的影響が最も大きいのが停電,すなわち供給支障であり,この度合を表す尺度は一般的に供給信頼度と呼ばれている。

この供給信頼度には,需要家側からみた表し方と供給者側からみた表し方がある。

需要家側からみた供給信頼度の表し方

需要家側からみた供給信頼度の一般的な表し方としては,需要家一軒当たりの年間平均の停電回数と停電時間が用いられる。

供給者側からみた供給信頼度の表し方

供給者側からみた供給信頼度の一般的な表し方としては,電気の供給力,最大需要電力等を確定論的に取り扱った供給予備力がある。

電気の供給力

電源の供給力のうち,水力発電については出水変動を統計的に処理した供給力が採用されている。

供給予備力

供給予備力は電力輸送設備の事故等による電源の停止は考慮していない。

このため,電力輸送設備の計画及び運用面に当たっては,一般に送電線の 1 回線事故,変電所の 1 バンク事故等の単一事故を規定しても,供給支障事故や電源脱落事故に至らないことを基準としている。

また,重要系統については多重事故等により厳しい事故条件を想定して,この場合に供給支障や発電支障の大きさ [kW] や継続時間が許容されるレベルを超えることがないように電力輸送設備の構成を行っている。

参考文献

更新履歴

  • 2022年9月6日 新規作成