目指せ!電気主任技術者~解説ノート~

第一種電気主任技術者の免状保有者がまとめた電気主任技術者試験の解説ノートです。

リニアモータ

国内の鉄道では,リニア誘導モータ(LIM)は常電導磁気浮上式鉄道及び小断面地下鉄で,リニア同期モータ(LSM)は超電動磁気浮上式鉄道に適用されている。

リニア誘導モータ(LIM)

リニア誘導モータ(LIM:Linear Induction Motor)は,回転形誘導電動機を半径方向に切り開いて,平面展開したような構造となっており,工場内搬送装置や列車の駆動などに用いられている。

短一次片側リニア誘導モータでは,通常,一次側は積層鉄心に電機子巻線が施され,二次側は磁路を形成するための鉄心の上にアルミニウムか銅の非磁性導体板をかぶせたリアクションプレート形の二次導体から構成されている。

リニア誘導モータの動作原理は,回転形誘導電動機と同様で,一次側の電機子巻線に三相交流電流を供給すると,進行磁界を発生する。

この磁束が変化すると,二次導体に磁束の変化を妨げる向きに渦電流を生じ,これと進行磁界との相互作用により,フレミングの右手の法則に従う方向に推力が発生する。

電機子は有限長であることから電機子の端部において,端効果と呼ばれる磁束分布の不均一が生じ,高速になるほど推力特性が低下する。

このようなリニア誘導モータは,二次側に導体のみを設備すればよく,構造が簡単であり,また,進行磁界と非同期で動くので,駆動のために必ずしも速度検知や位置検知を行う必要がない。

リニア同期モータ

リニア同期モータ(LSM)は,一次側巻線の三相交流電流が作る移動磁界の速度に同期して界磁磁極のある可動体側が同期速度で移動する。

LSM は三相交流周波数を上げて高速とした場合でも推力特性は良好である。

参考文献

更新履歴

  • 2022年3月2日 新規作成
  • 2022年6月26日 参考文献に「平成29年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 機械 問3」を追加