予め定められた順序又は手続きに従って,制御の各段階を逐次進めていく制御方式をシーケンス制御と言い,各種産業の自動機で用いられている。
旧来は,状態記憶を利用した順序回路である自己保持回路などで制御を実現していたが,現在では,専用の工業用制御機器であるプログラマブルロジックコントロールを用いるのが主流である。
この機器はプログラムにより動作するため,複雑な論理を実現出来ることや配線の変更なしに機能変更ができる利点を持つ。
プログラマブルロジックコントロールの入力側には操作ボタンや各種センサなどが接続され,出力側には表示灯や各種アクチュエータなどが接続される。
この機器は,一般的なパーソナルコンピュータよりも信頼性に優れることより,産業現場の過酷な環境においても活用されている。
プログラムは,旧来のリレー回路をはしご状に接続する表現としたラダー図の図式により記述されることもあるが,現在では,広範な用途に対応できるよう,各種プログラム記述方式が準備されている。
産業用自動機の中核として用いられるプログラマブルロジックコントロールが故障した場合でも,安全な状態に移行するようフェールセーフに配慮した装置設計が求められている。
参考文献
- 令和4年度 第二種 電気主任技術者 一次試験 機械 問7「産業用自動機の制御機器」
更新履歴
- 2022年9月16日 新規作成