一つの電解質に接した 2 種類の電極を導線で結ぶと,一方の電極で酸化,もう一方の電極で還元反応が起こる。このように酸化還元反応に伴って化学エネルギーを電気エネルギーに変える装置を電池(化学電池)という。
リチウムイオン電池は,携帯電話やノートパソコン,電気自動車などさまざまな用途に用いられる小型,軽量で起電力が高い二次電池である。代表的なものとして,負極に黒鉛 C に取り込まれたリチウム,正極にはコバルト(Ⅲ)酸リチウム LiCoO2 を用い,電解質としてはエチレンカーボネート((CH2O)2CO)などの有機化合物にヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)などの塩を溶かしたものを用いたものがある。
放電時には負極の活物質の電子が奪われて酸化して Li+ が生じ,電解質を通り正極内の層間に入る。充放電の反応は次のとおりである。
[負極]
LiC6 ⇔ Li+ + C6 + e-
[正極]
CoO2 + Li+ + e- ⇔ LiCoO2
[全体の反応]
LiC6 + CoO2 ⇔ LiCoO2 + C6
参考文献
- 令和4年度 第二種 電気主任技術者 一次試験 機械 問6「電池」
更新履歴
- 2022年9月15日 新規作成