需要場所における電力設備の計画においては,負荷特性に応じて時々刻々変動する需要電力を十分に分析し,評価する必要がある。
需要内容
電力は生産即消費で貯蔵することができないため,電力需要を把握するために単に 1 ヵ月もしくは 1 年間の総使用量を予想するだけでは不十分で,1 年間の最大電力,さらに時々刻々の負荷の動きの負荷曲線を把握しておく必要がある。
負荷曲線 (load curve)
一般に,負荷は時々刻々と変化するもので,負荷の時間的変動情況を図示したものを負荷曲線 (load curve) という。

需要諸係数
需要率 (demand factor)
需要率は,需要電力の最大値を設備容量の合計で除したものである。
この値が 1 を超えた場合には,機器が過負荷使用となっていることを示す。
需要率 [%] = 最大需要電力 / 設備容量 × 100
不等率 (diversity factor)
需要家群・配電変圧器群あるいは配電幹線群などの同種類の負荷群において,各個の最大需要電力は同時刻に起こるものではなく,その発生時刻は時間的にずれがある。
このため各負荷を総括したときの最大需要電力は各個の最大需要電力の和より小さくなる。
この割合を示すものを不等率 (diversity factor) といって次式によって表す。
不等率 = 各負荷の最大需要電力の和 / 総括したときの最大需要電力
負荷率 (load factor)
電気の負荷の使い方は種別・地域・時刻・季節などによって違ってくる。
この需要電力の変動の割合を負荷率 (load factor) という。
需要家・配電幹線あるいは変電所などである期間の平均需要電力と最大需要電力との割合で示す。
負荷率 [%] = ある期間中の平均需要電力 / その期間中の最大需要電力 × 100
演習
最大需要電力が $P_\text{A}$ の負荷群 A と最大需要電力が $P_\text{B}$($P_\text{B} \gt P_\text{A}$)の負荷群 B とを組み合わせて構成した負荷群 C の不等率の最大値は,$\displaystyle 1+\frac{P_\text{A}}{P_\text{B}}$ である。
最大需要電力が 800 kW,需要率が 0.8,負荷率が 0.6,力率が常に 0.75 一定の負荷 A と最大需要電力が 400 kW,需要率が 0.5,負荷率が 0.8,力率が常に 0.75 一定の負荷 B とを組み合わせて構成した負荷群 C を考える。
不等率が 1.25 であるとすると,C の需要率は 0.53 となり,負荷率は 0.83 となる。
不等率が大きいほど,C の負荷率は大きくなる。
また,C の負荷率が 0.94 であるとすると,不等率は 1.41 となる。
演習 変電所の設備容量の検討
ある変電所において図に示す日負荷曲線を有する三つの負荷 a,b 及び c に電力を供給している。この変電所の平均需要電力は 9 MW で,総合負荷率は 75 % である。
また,不等率は 1.08 である。
ここで負荷 a,b 及び c の力率は時間によらず一定で,それぞれ 60 %,80 % 及び 100 % であるとすると,総合負荷が最大となる時刻における総合力率は 73.7 % であり,この変電所の変圧器に必要な最小容量は 17 MV·A である。
参考文献
更新履歴
- 2022年8月17日 新規作成
- 2024年9月1日 参考文献に「令和6年度 第二種 電気主任技術者 一次試験 法規 問4」を追加
- 2024年9月7日 負荷曲線の例を追加し,本文を加除修正