通信機能を有する分散制御機器やプロセス制御コンピュータが,生産設備制御に多用され,これら機器間の情報を伝送する通信ネットワークが重要となってくる。
これら通信ネットワークの物理的な形態は,基本的に以下の五つに大別される。
スター形
制御の中心となる大型コンピュータや制御局を中央に配置し,そのまわりにコンピュータや端末を接続する方法である。
処理が中央に集中するので,中央部に設置される装置の信頼性が重要となる。
リング形
隣接する各ノードを接続し,環状の共通な単方向伝送の通信路を構成するシステムである。
高速伝送を目的とした光ファイバーケーブルを用いた LAN(Local Area Network) にはこの形態が多い。
バス形
各ノードがバスと呼ばれる同一の伝送路に接続されたシステムである。
これはパソコンやワークステーション用の伝送ネットワークとしてよく使用されているトポロジーであり,従来よりイーサネットに代表される同軸ケーブルを用いた LAN に採用されている。
ツリー形
各ノードを樹枝状に配置し,階層構成とするもので,各階層毎にその役割に応じた処理を分担することで,システム全体の効率的な運用を行う方式である。
この形態は垂直形の分散処理システムとしてよく用いられている。
メッシュ形
一つのノードから,結合を必要とするすべてのノードに対して直接接続する方式で,広域網の代表的な形態である。
通常,通信が必要となる二つのノードを最短経路で行うので伝送速度や待ち時間の点では有利となり,他の形態に比べネットワークの信頼性は高い。
ただし,線路の総延長が長くなる欠点がある。
参考文献
- 平成15年度 第二種 電気主任技術者 一次試験 機械 問8
更新履歴
- 2022年3月10日 新規作成