コンピュータを活用して複雑な設計・製図を効率よく行えるものとして CAD システムがある。
3 次元 CAD を用いると,ディスプレイ上で設計対象物を立体的に表示でき,様々な方向から確認することができる。
CAM システムはコンピュータを活用した機械加工を中心とした生産準備の自動化システムをいい,CAD システムと連携させることで,設計対象物の加工手順を生成し,NC 制御された工作機械で加工することが可能である。
XYZ の各軸に主軸又はテーブルの回転,傾斜を加えた多軸制御の工作機械では,CAD システムの 3 次元設計データを活用して,複雑な形状や曲面を加工することができる。
ただし,制御軸が増えると構造が複雑となり,剛性が低くなることや,加工時に切削工具が加工物に接触する角度や面積が変化することで切削抵抗の変動があり,精度や表面粗さが悪化しやすくなることに注意が必要である。
マシニングセンタは,自動的に工具を交換する機能を有する NC 工作機械であり,加工内容の自由度が増え,CAM システムとの親和性が良い。
一方で,より複雑な形状を造形する方法では,3D プリンタが試作や少量生産の製品などへ利用されている。
耐久性のある金属製の立体形状を作成する場合は,粉末状の材料にレーザを照射して溶着させる方法がある。
生産ラインでは,各種工作機械やマシニングセンタの他,溶接,組立,塗装などを行う産業用ロボットや,無人搬送車,自動倉庫などが組み合わされて,工場全体の自動化が行われる。
このようにして工場の自動化をすることをファクトリーオートメーションという。
参考文献
- 令和5年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 機械 問7「生産ラインにおける自動化技術」
更新履歴
- 2023年9月3日 新規作成