次の文章は,「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令」及び「発電用太陽電池設備に関する技術基準の解釈」(以下,「太陽電池設備技術基準の解釈」という。)に基づく,支持物の構造等に関する記述である。
太陽電池モジュールを支持する工作物(以下,「支持物」という。)は,次により施設しなければならない。
- 自重,地震荷重,風圧荷重,積雪荷重その他の当該支持物の設置環境下において想定される各種荷重に対し安定であること。ここで,支持物の安定とは,規定の荷重に対して,支持物が倒壊,飛散及び移動しないことをいう。
- 土地に自立して施設される支持物の基礎部分は,杭基礎若しくは鉄筋コンクリート造の直接基礎又はこれらと同等以上の支持力を有するものであること。
- 土地に自立して施設されるもののうち設置面からの太陽電池アレイ(太陽電池モジュール及び支持物の総体をいう。)の最高の高さが 9 m を超える場合には,構造強度等に係る建築基準法及びこれに基づく命令の規定に適合するものであること。
「太陽電池設備技術基準の解釈」では,支持物の標準仕様として,一般仕様,強風仕様及び多雪仕様の三つが示されている。
これらは,基準風速などの諸条件を満たす場合に,強度計算を実施せずとも必要な強度等を確保できるよう,地上設置型の設備に適用できる標準仕様となっている。
発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令
第四条 支持物の構造等
太陽電池モジュールを支持する工作物(以下「支持物」という。)は、次の各号により施設しなければならない。
- 自重、地震荷重、風圧荷重、積雪荷重その他の当該支持物の設置環境下において想定される各種荷重に対し安定であること。
- 前号に規定する荷重を受けた際に生じる各部材の応力度が、その部材の許容応力度以下になること。
- 支持物を構成する各部材は、前号に規定する許容応力度を満たす設計に必要な安定した品質を持つ材料であるとともに、腐食、腐朽その他の劣化を生じにくい材料又は防食等の劣化防止のための措置を講じた材料であること。
- 太陽電池モジュールと支持物の接合部、支持物の部材間及び支持物の架構部分と基礎又はアンカー部分の接合部における存在応力を確実に伝える構造とすること。
- 支持物の基礎部分は、次に掲げる要件に適合するものであること。
- 土地又は水面に施設される支持物の基礎部分は、上部構造から伝わる荷重に対して、上部構造に支障をきたす沈下、浮上がり及び水平方向への移動を生じないものであること。
- 土地に自立して施設される支持物の基礎部分は、杭基礎若しくは鉄筋コンクリート造の直接基礎又はこれらと同等以上の支持力を有するものであること。
- 土地に自立して施設されるもののうち設置面からの太陽電池アレイ(太陽電池モジュール及び支持物の総体をいう。)の最高の高さが九メートルを超える場合には、構造強度等に係る建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)及びこれに基づく命令の規定に適合するものであること。
参考文献
- 経済産業省,「発電用太陽電池設備に関する技術基準を定める省令を制定しました。」
- 令和5年度 第二種 電気主任技術者 一次試験 法規 問5「発電用太陽電池設備の支持物の構造等」