室の天井面に複数の照明器具(同一機種のもの)を規則的に配置して,室内全体の照明を行い,所望の照度を得ることを考える。逐点法を用いて,室の作業面の平均照度(設計値)$E$ [lx] は次式によって求めることができる。
$E=$ $\displaystyle \frac{\Phi NUM}{A}$
ここで,
- $E$ : 平均照度(設計値)[lx](室の作業面の水平面照度の室内全体の平均)
- $\Phi$ : ランプ 1 灯の定格光速 [lm]
- $N$ : ランプの灯数
- $M$ : 保守率(新設時の平均照度に対する,ある一定期間使用した後の平均照度の比。ランプは使用しているうちに光束がしだいに減少し,照明器具は汚れによって器具効率が低下する。このために,設計の際に光束にあらかじめ余裕をもたせておくための係数)
- $A$ : 室の床面積 [m2](室の間口 $X$ [m] と奥行き $Y$ [m] の積)
- $U$ : 照明率(ランプの光束が作業面に届く割合を表し,照明器具の配光,器具効率,室の寸法($X$ と $Y$),作業面からランプまでの高さ,室内面(天井,壁,床)の反射率によって決まる係数)
である。
次に,間口 $X = $ 7 m,奥行 $Y =$ 14 m の室を考える。使用する照明器具は天井埋め込み式で,ランプ面と天井面とが一致するタイプのものである。照明器具には 1 台あたりランプ 2 灯が取りつけられており,ランプ 1 灯の定格光束は $\Phi =$ 3 500 lm である。また,この室における,この照明器具の照明率は $U =$ 0.55 と与えられ,保守率は $M =$ 0.74 とする。
以上の条件を適用すると,この室の作業面の平均照度(設計値)を 750 lx 以上に保つために最小限必要となる照明器具の台数は 26 台となる。
参考文献
- 令和4年度 第二種 電気主任技術者 一次試験 機械 問5「室内照明設計」
更新履歴
- 2022年9月14日 新規作成