ステッピングモータは,入力されたパルス数に比例した角度だけ回転するモータで,オープンループ制御が可能であり,システム構成を簡素化できる利点がある。
その他の利点として,回転角の精度が高いことや,起動,停止,正逆転,変速が容易で応答性が良いことが挙げられる。
また,停止時に保持トルクがあり,ブレーキ機構なしに位置を保てるものがある。
このような利点がある一方,動作時の脱調や停止時に振動が減衰するまでのセットリングタイムに留意する必要がある。
ステッピングモータの構造には可変リラクタンス形,永久磁石形があるが,現在はその両方の特徴を持つハイブリッド形が多く用いられる。
角度分解能を上げるには,モータの相数やロータの歯数を増やす方法があるが,物理面や経済性での限界があるため,励磁制御によるハーフステップ駆動やさらに制度を挙げたマイクロステップ駆動なども行われる。
ステッピングモータの回転運動をボールねじなどにより直線運動に変換し,XY 2 軸が直交するよう組み合わせた自動化装置に XY テーブルがある。
ある XY テーブルにおいて,各軸のテーブル分解能 0.01 mm,モータの回転速度を 400 min-1,モータのステップ角度を 0.72° としたときに,XY 2 軸を同時に駆動させたときに合成されるステージの移動速度は,2 830 mm/min である。
なお,他に減速機構等は無く,このステップ角度とテーブル分解能は完全に対応するものとして算出せよ。
参考文献
- 令和3年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 機械 問6
更新履歴
- 2022年7月1日 新規作成