無停電電源システム(UPS:Uninterruptible Power Supply)の一つの基本構成である常時インバータ給電方式を単線系統図に示す。
この UPS は,図の破線で囲まれた部分をここでは CVCF(Constant Voltage Constant Frequency)装置と定義すると,その直流回路に蓄電池を接続して,商用電源が停電した際のエネルギー源としている。
図に示すように,蓄電池を整流器とは別の充電器で充電し,サイリスタを用いて蓄電池を CVCF 装置と接続する方法は,直流スイッチ方式と呼ばれることがある。
充電器によって蓄電池に適した条件で充電できるので,この方法は大容量の蓄電池をもつシステムなどで使われる。
信頼性向上の方法
常時インバータ給電方式の UPS の信頼性を向上する方法には,バイパス方式,並列冗長方式などがある。
バイパス方式
バイパス方式は運転している UPS が故障した際には,切換スイッチを使用して商用電源から直接負荷に給電する方法であり,その一例が図に示されている。
切換スイッチ A 及び B にサイリスタなどを用いた半導体スイッチを使用すると回路を無瞬断で切り換えることができるが,常時のインバータ運転は商用電源と同期した運転であることが必要である。
並列冗長方式
並列冗長方式は,複数台の UPS を用いる方法であり,1 台の UPS が故障した場合に速やかにそれを検出して切り離すことによって,残りの健全な UPS で負荷に給電を続ける方法である。
この方式を用いると,必要な負荷容量を複数台($n$ 台)の UPS の合計容量で給電する際に,信頼性を向上したシステムが $n+1$ 台だけの UPS で実現できる特長がある。
参考文献
更新履歴
- 2022年2月3日 新規作成