目指せ!電気主任技術者~解説ノート~

第一種電気主任技術者の免状保有者がまとめた電気主任技術者試験の解説ノートです。

建物の接地

電気設備技術基準の解釈 第18条 工作物の金属体を利用した接地工事の記述の一部である。

第1項

鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造の建物において、当該建物の鉄骨又は鉄筋その他の金属体(以下この条において「鉄骨等」という。)を、第17条*1 第1項 から 第4項 までに規定する接地工事その他の接地工事に係る共用の接地極に使用する場合には、建物の鉄骨又は鉄筋コンクリートの一部を地中に埋設するとともに、等電位ボンディング(導電性部分間において、その部分間に発生する電位差を軽減するために施す電気的接続をいう。)を施すこと。

また、鉄骨等を A 種接地工事又は B 種接地工事の接地極として使用する場合には、更に次の各号により施設すること。

なお、これらの場合において、鉄骨等は、接地抵抗値によらず、共用の接地極として使用することができる。

  1. 特別高圧又は高圧の機械器具の金属製外箱に施す接地工事の接地線に 1 線地絡電流が流れた場合において、建物の柱、梁、床、壁等の構造物の導電性部分間に 50 V を超える接触電圧(人が複数の導電性部分に同時に接触した場合に発生する導電性部分間の電圧をいう。以下この項において同じ。)が発生しないように、建物の鉄骨又は鉄筋は、相互に電気的に接続されていること。
  2. 前号に規定する場合において、接地工事を施した電気機械器具又は電気機械器具以外の金属製の機器若しくは設備を施設するときは、これらの金属製部分間又はこれらの金属製部分と建物の柱、梁、床、壁等の構造物の導電性部分間に、50 V を超える接触電圧が発生しないように施設すること。
  3. 第一号に規定する場合において、当該建物の金属製部分と大地との間又は当該建物及び隣接する建物の外壁の金属製部分間に、50 V を超える接触電圧が発生しないように施設すること。ただし、建物の外壁に金属製部分が露出しないように施設する等の感電防止対策を施す場合は、この限りでない。
  4. 第一号、第二号及び第三号の規定における1線地絡電流が流れた場合の接触電圧を推定するために用いる接地抵抗値は、実測値又は日本工業規格 JIS T 1022(2006)「病院電気設備の安全基準」の「附属書(参考)建築構造体の接地抵抗の計算」によること。

第2項

大地との間の電気抵抗値が 2 [Ω] 以下の値を保っている建物の鉄骨その他の金属体は,これを次の各号に掲げる接地工事の接地極に使用することができる。

  • 非接地式高圧電路に施設する機械器具等に施す A 種接地工事
  • 非接地式高圧電路と低圧電路を結合する変圧器に施す B 種接地工事

TT 接地方式

IEC 60364 規格を適用したビル構内の配電系統において,接地方式が電源の接地と,負荷機器の接地を個別に取る TT 接地方式の場合,感電保護手段として漏電遮断器が用いられる。

大規模な建物構造体の接地抵抗の測定は,簡易的な接地抵抗計で測定と誤差が大きくなり正確な値を測定することができない。

そこで,正弦波の測定電流(10 ~ 20 [A] )を用いる電圧降下法による測定が一般的であり,測定のための補助極としては 2 極の電極が必要である。

参考文献

更新履歴

  • 2022年5月6日 新規作成

*1:接地工事の種類及び施設方法