目指せ!電気主任技術者~解説ノート~

第一種電気主任技術者の免状保有者がまとめた電気主任技術者試験の解説ノートです。

変電所の保守の動向

次の文章は,変電所の保守の動向に関する記述である。

変電所の保守の目的は,変電所の電気工作物が常に法令で定める技術基準に適合するように,その性能を維持し,事故の未然防止を図ることである。そのため,変電所の設置者は,機器の構造や性能を熟知し,巡視・点検などの実施により,機器の性能維持及び回復を図り,不良箇所の早期発見に努めている。

機器の保守は,かつて主に,事故が発生した場合に対応するという事後保全の考え方がとられてきたが,現在は,一定期間ごとに巡視・点検,部品交換,補修などを実施し,突発事故を防ぐ保守・点検(Time Based Maintenance : TBM)が取り入れられ,機器の信頼性維持に寄与してきている。

さらに最近の動向として,

  • 設備量の増加に対し,限られた保守要員で設備保全をするため,保守業務の効率化や省力化が図られ,また,高信頼度で長寿命の機器が採用される傾向にある。
  • 品質管理の向上,技術革新などに伴う設備の高信頼度化及び保守技術の進歩により,事故や故障が減少し,また寿命が長くなっているため,機器の信頼度に即した点検周期の採用,余寿命の評価方法の開発が進められている。
  • 機器の密閉化やブラックボックス化に対応し,センサー技術の進展なども取り入れ,故障個所を早期に発見して除去し,さらに設備の劣化度を診断するための技術向上への取り組みが進められている。

これらにより,機器の状態や将来起こりうる事態を予測し,必要に応じてメンテナンスを実施する保守・点検(Condition Based Maintenance : CBM)が取り入れられるようになってきている。

参考文献

  • 令和2年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 法規 問4「変電所の保守の動向」

更新履歴

  • 2022年8月9日 新規作成