石炭ガス化複合発電(IGCC : Integrated coal Gasification Combined Cycle,石炭ガス化コンバインド発電)とは,石炭をガス化炉内で部分酸化することにより一酸化炭素と水素を主成分とする可燃性ガスに転換し,その生成ガスから窒素化合物,硫黄化合物,ダスト,金属成分などの不純物をガス精製装置で除去した上で,LNG と同様にガスタービン複合発電の燃料として使用する発電方式である。
三菱重工の石炭ガス化複合プラントの説明では次のように記されている。
大型 IGCC では従来型石炭焚き火力発電方式と比べ,発電効率を約 15 % 向上させ,CO2 の低減も図ることができます。
石炭ガス化複合発では,LNG 焚き複合発電と比較すると,その送電端熱効率は低い。
日本では 1990 年福島県いわき市に電力会社,電源開発,電力中央研究所が共同でパイロットプラントをつくり,1991 年度から運転,1996 年に成功して終了した。
商用化に向けて,電力 9 社と電源開発が,2001年6月に設立したクリーンコールパワー研究所によって実証試験が推進されている。
2007 年 9 月には,福島県いわき市で実証機の建設工事が完了し,実証試験が開始された。
参考文献
- 電気事業講座 電気事業辞典
- 勿来IGCCパワー合同会社|福島から最先端クリーンコール技術の発信
- 三菱重工業株式会社 パワー事業 | 石炭ガス化複合発電プラント(IGCC)
- 令和4年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 電力 問2「石炭ガス化複合発電」
- 平成27年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 電力 問2「石炭ガス化複合発電」
- 平成21年度 第一種 電気主任技術者 一次試験 電力 問2「石炭ガス化コンバインドサイクル発電」