計算機などの出力信号であるディジタル信号をアナログ信号に変換する回路は D-A 変換回路と呼ばれ,求められる変換の精度や変換時間などに応じて,さまざまな方式が採用される。
$R-2R$ ラダー形は代表的な D-A 変換回路であり,二進数の各ビットに対して抵抗回路網のスイッチを切り換えて,出力電圧としてアナログ信号を得るものである。
図の D-A 変換回路では,二進数 [101] は,3.125 [V] の出力を得ることになる。
また,出力段の演算増幅器はボルテージホロワ回路と呼ばれ,出力側からの干渉を防ぐためのバッファである。
さらに,スイッチの切換えに伴う望ましくない過渡電圧はグリッチと呼ばれ,出力段にはローパスフィルタ回路を設ける必要があるが,そのフィルタの時定数による大きな遅れを発生させる場合がある。
そのため,サンプルホールド回路を出力段に設け,D-A 変換回路の入力を切り換える際の直前の出力をサンプルホールド回路で保持し,ノイズがなくなった時点で,その保持を解除させる制御を行う構成も採用される。
参考文献
更新履歴
- 2022年2月12日 新規作成