目指せ!電気主任技術者~解説ノート~

第一種電気主任技術者の免状保有者がまとめた電気主任技術者試験の解説ノートです。

風力発電システムの設備利用率

風力発電に用いられる風車のエネルギー変換効率(軸出力エネルギーと風車ロータを通過する空気エネルギーの比)はパワー係数と呼ばれ,理論的には 0.593 (ベッツの限界値)であるが,実際には最適設計されたプロペラ形風車で最大 0.45 程度の値となる。

一般に風力発電システムの運転では有効な出力が得られるカットイン風速,定格風速,強風を避けるために停止するカットアウト風速が設定されている。カットイン風速はおおよそ 2 ~ 4 [m/s] であり,カットアウト風速は 25 [m/s] 前後が多い。

風力エネルギーは不規則かつ間欠的であることから,風力発電システムの設備利用率は,特殊な場合を除き 20 ~ 30 [%] 台の値となる。

また,風力エネルギーの変動はそのまま発電機出力の変動となるため,接続される送電系統の短絡容量が小さい場合には電圧変動が大きくなるおそれがあり,その対策が必要となる。

ウインドファームでは数多くの風力発電機を集合設置しており,出力変動の平滑化が期待されているが,長周期変動に対しては平滑化が困難なため,さまざまな対策が検討されている。

参考文献

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  • 2022年1月5日 新規作成